今回は4大スピリッツのうちの一つ「vodka」について、いつも通り製造過程や種類についてまとめていきます。
ウォッカをめぐる論争
まずは他のお酒では見ない国際裁判沙汰になったお酒であるウォッカについてプチ情報です。
ウォッカはロシアでは12世紀ごろからつくらていたという説や14世紀終盤にブドウを原料にして作った「命の水」という蒸留酒が最初に造られ、15世紀半ばにライ麦を原料とした「ジーズネンナヤ・ヴァダー」と呼ばれる酒になりました。これを略した「ヴァダー」がウォッカの語源の一つとも考えられています。18世紀にはウォッカの種類が増えて醸造技術が高まった。1974年に白樺の活性炭でウォッカを濾過する製法が開発され、「癖の少ない酒」という個性を確立します。
また、ポーランドでは中世前期に交易などを通じてアラビアからヨーロッパ各地に伝わったものが起源とされています。ウォッカという名称はポーランドの公文書では1405年に初めて登場しました。当時ポーランド語では消毒用のウォッカは「ウォッカ」、飲用としてのウォッカと同じものを「ゴショウカ」と呼ばれていました。この二つは同じものであり、まとめてアクア・ヴィテ(命の水)と呼ばれていました。当時は飲用としてではなく消毒剤や体臭予防剤、皮膚感染症の予防や治療に利用されることが多く、飲用する習慣が広まったのは19世紀ごろでした。
1977年にポーランドはウォッカの起源と「ウォッカ」という名称の独占的使用権を主張し、当時のソ連と法廷競争を行いました。
ロシア側は『ウォッカの歴史』を著し、ウォッカの起源を15世紀半ばのロシアと主張した。
ポーランド側は最初のウォッカとするゴシャウカが16世紀半ば以前から作られていたという証明ができなかった。
1982年に国際調停裁判所はウォッカの起源をロシアと認定し、ロシアのオリジナルアルコール飲料として宣伝の権利を認めた。
製造過程
糖化
小麦またはライ麦を煮てデンプンを糖に分解していきます。
発酵
糖化後の液に酵母をいれることで酵母が増殖し、アルコール発酵を行うことで、糖からアルコールと二酸化炭素を生成します。
蒸留
発酵後の液体を連続式蒸溜機にかけます。水を分離しつつ高濃度のアルコールを作っていきます。
96%の精留エチルアルコールがロシアウォッカのもととなる。
エチルアルコールは上からリュクス、エクストラ、上精製の3つの等級に分けられる。
加水
蒸留所からエチルアルコールを買い付け、40度になるように水を加えます。
使われるものは天然水や精製水など様々です。
添加物
ほのかな甘みを与えるためにはちみつや果糖などの糖分を加えます。
フレーバーウォッカの場合、色や香り、薬草などを加えます。
濾過
白樺活性炭を使用してろかすることが伝統的ですが、木炭以外のろ材や濾過の回数など様々になっています。
仕上げ
フィルターを通したのち、ボトリングされ出荷となります。
ウォッカの種類
種類は大きく分けると3種類となります。
スタンダードウォッカ
無味無臭で透明という特徴をもつウォッカの代表ともいえる存在。
金額もリーズナブルでポピュラーなウォッカ。
代表的なものに「スピリタス」がありアルコール分は96度。
フレーバードウォッカ
スタンダードウォッカに果物やスパイス、香草などを加えて香りや味をつけたウォッカ。
代表的なものには世界最古のフレーバードウォッカとして「ズブロッカ」があります。
プレミアムウォッカ
原料の素材にこだわったり、製造工程に特別な作業を加えたもの。
香りや口当たりに特徴があり、特別な行事の際に飲まれることが多い。
素材や口あたりを楽しむためにロックやストレートで飲まれることが多い。
代表的なものとして「アブソルートウォッカ」というほのかにドライフルーツが香り漂う芳醇な味わいとなっています。
さいごに
今回はウォッカについて簡単ですがまとめていきました。
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