今回は最近あった「サーキットブレーカー」についての記事にしたいと思います。
- サーキットブレーカーってなんだっけ?
- どういったときに起こるの?
といった疑問が解決できるように作成しているので良ければ一読してみてください。
サーキットブレーカーとは
株式などの価格が大きく動いたときに取引を停止する制度。
世界各国でそれぞれ取り入れられています。
株価が大きく動くとき、つまり暴騰や暴落をしていると、投資家はパニックになり正常な判断ができなくなるため、取引を行えないようにします。
日本では先物取引のみ
サーキットブレーカーは日本でも設けられていますが、導入されているのは大阪取引所や東京商品取引所で「先物・オプション取引」にのみ適用されています。
つまり、東京証券取引所にはサーキットブレーカーが導入されていません。
サーキットブレーカーの代わり
しかし、その代わりとなるものが2つあります。
それが「特別気配制度」と「連続約定気配制度」になります。
特別気配制度
一度に大量の買い注文または売り注文が集まった時に発動する制度。
連続約定気配制度
大量の買い注文または売り注文が少量でも立て続けに出されている時に発動する制度。
なぜサーキットブレーカーは生まれたのか?
1987年10月19日の月曜日に、ニューヨーク株式市場が大暴落した日がありました。これを「ブラックマンデー」と言います。
その日はNYダウが過去最大の下落幅である508ドル(22.6%)下落しました。
当時のアメリカは財政赤字と貿易赤字を抱えており、ドル安によるインフレが懸念されていたことが大きな原因と考えられています。
これをきっかけにして、株式市場がパニックに陥った時に過剰な売買を抑制する必要があると判断されニューヨーク証券取引所ではサーキットブレーカーが導入されました。
その後日本でも1994年に東京証券取引所の先物市場で導入されています。
どういったときに起こるのか
では、発動するための基準はどんなものなのか。
各国のサーキットブレーカーの発動条件は次のようになります。
アメリカ
ニューヨーク証券取引所ではサーキットブレーカーは1~3段階で発動されるようです。
レベル | 条件 | 発動内容 |
---|---|---|
1 | NYダウが前日から10%下落 | 最大1時間の売買停止 |
2 | 1の取引再開後も下落が止まらず、さらに10%下落 | 最大2時間の売買停止 |
3 | 2の取引再開後の下落が止まらず、合計で30%下落 | その日の売買終了 |
日本
日本の場合は次のようになります。
- 先物価格が一定数値を超えて大幅変動した場合:売買が10分間停止
中国
中国では2016年に導入されています。
- CSI300(株価指数)が前日比5%を超えての変動:全ての株式取引と先物取引が15分間停止。
- 再開後7%を超えて変動:その日の売買が全て停止。
韓国
2021年に導入されています。
- KOSPIやKOSDAQ(いずれも総合株価指数)の先物価格が基準価格から5%以上、1分間以上かけて解離した場合:5分間の売買停止
実際にあった事例
では、実際にはどんなときにサーキットブレーカーが行われたのでしょうか。
日本国内における例としては下記の物があります。
日付 | 発動事例 | 原因 |
---|---|---|
2024/8/5 | TOPIXなど | 日銀の追加利上げやアメリカの景気後退織り込みで売りが急増 |
2024/8/2 | 東証銀行業株価指数他 | 日銀の追加利上げやアメリカの景気後退織り込みで売りが急増 |
2020/3/9 | 東証マザーズ指数先物 | 新型コロナウイルスの感染拡大による影響で売りが急増。 |
2011/3/14 | TOPIX先物 | 東日本大震災の影響で売り注文が急増した。 |
さいごに
今回はサーキットブレーカーについてまとめました。
全体の流れに流されて深く考えずに売買をおこなわないようにすることが大切です。
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