今回はAmzon prime videoで見ることができる短編映画のご紹介です。
短編といっても30分程度のものになります。
2019年に公開されたもので、現代日本で度々見ることができる悲惨な状況です。色々考えさせられてしまうので、他人事とは思わずに是非見てもらいたいと思います。
基本的にはねたばれしないように書きますが、感想以降はネタバレがあるので注意してください。
あらすじ
ツバサは認知症を患っている母親と引きこもりの兄と3人で苦しい生活を送っていました。かつては「良い会社」につとめていたようですが、何かしらの原因で現在は浸漬のラーメン屋で働いている。食費もままならずにラーメン屋のあまりをもらい毎日同じような食卓であった。ある時、ツバサは自分に病気があることをしる。このままでは一家の未来が・・・。
タイトルの意味
ファミリーは家族という意味ですが、2つつなげた意味は残念ながら分かりませんでした。
出演者
大川裕明
この作品では次男のツバサの役兼監督として登場しています。
RUDE BONESというスカコアバンドのボーカルでもあるようですが、全く知りませんでした。エイベックスやディスクユニオンから計8枚のアルバムを出しているようです。
次に紹介する彦坂啓介(まさる役)と、泉水美和子(母親役)と『おじドル,ヤクザ』を撮っているようです。
彦坂啓介
この作品では長男のまさる役として登場。
ポーカーのプレイヤーでもあり主にロシアの試合を中心に出ているようです。2024年現在では日本人ポーカープレイヤーで賞金ランキング110位とすごいのかよくわからないですが、海外の大会で優勝などもあるよう。
元々はお笑い芸人としてブッチャーブラザーズ(リッキーさんの方は現サンミュージックプロダクション社長)から「ピースケ」と命名され活動していたようです。
泉水美和子
この作品では母親役として登場。
東映に所属し、映画やTV、CMにも出演されていたそう。
一度引退し演劇の講師をしていた時期も。
2000年に現場復帰し、以後商業作品や自主製作映画には150本も出演されているようです。
個人的感想と見どころ
ここからは盛大にネタバレがあるためまだ見てない人は読まないでください。
よい、よい、よい
冒頭でいきなりホラー感のある始まりを見せましたが、踊っているようにも見えます。
認知症の人であるという設定などから盆踊りでも踊っているつもりなのだと思いますが。
余談ですが、風呂場でこれを見ていた時、音の反響のせいなのか「よい、よい、よい」が「入院、入院、入院」と聞こえてより一層不気味でした(笑)
兄の性格
どこか他人事であり、細かいことが気になって仕方がないまさにぃ。
ゴキ事件よりも前から引きこもり気味だった理由はおそらく周囲となじめなかったのでしょう。
設定には明かされていませんが、おそらく何らかの発達障害があるのではないかと邪推をしてしまいます。例えばアスペルガー症候群、今では自閉スペクトラム症というらしいですが。
ラーメン屋での「ヘイ」についての疑問の持ち方とかそれっぽいんじゃないかと思いました。
ツバサの病気
膵臓に病気が見つかってしまったツバサ。膵臓癌の疑いでStage4の診断となりました。そして余命半年と診断される。
しかしさらに精査をするお金もなく、このまま死ぬのは母と兄が心配という思いがあるようです。
CTの映像もありましたが、全然膵臓写ってないじゃんと一人突っ込んでしまいました。
最後にピクニックに行こう
ツバサがまさにぃに言った言葉ですが、これはツバサが病気のことをまさにぃに打ち明けたときの出来事。
冷静に考えるとすごい怖いことですよね。正確に書くと「最後に」ではなく「最期に」っていう意味ですからね。
なんとか助かる方法を探したり、今後自分が頑張るという考えにいたるわけではなく「ぼくと母さんをおいてかないで、頼むよ」と自分たちも死ぬという選択を躊躇なく出せているところが本当にぞっとします。
結末
結果練炭での自殺はやめ、ツバサは亡くなり、母にはヘルパーがつき、まさにぃはあんなに拒否していたのに働き始めました。
『そのまま心中したほうがインパクトがある』という意見もあるようですが、個人的にはこの終わりでよかったと思います。
実際には一家心中するパターンもありますが、この映画もその終わりにしたら同じ境遇になった人がたまたま見たら心中まっしぐらになるでしょう。「その終わりしか残されていないいのか」と。
そうではなく何とか解決策・回避策が見いだせて終わりのこのパターンの方がいいですね。
実際にいるような家族
実際にこういうご家族は存在します。
「この人無くなったら他の家族はどうなるんだろう」とか「息子さん無くなったらお母さんは一人では暮らせないから施設だなぁ」とか。
日本は引きこもりになる人も増えており中年のニートの人も実は多いと知っていますか?
正直この作品をみて自分は「このパターンの人たちね」という気持ちでリアルに想像ができてしまいました。
今回の作品ではピクニック後に時間が飛んでいましたが、ツバサが病気で亡くなるところを描くとよりリアルに生々しくなるなと思いました。
さいごに
今回は短編映画の『ファミリーファミリー』のご紹介でした。
以外にマイナー(?)な作品でもいい作品はころがっているものだなと思いました。
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