今回は住宅メーカーを選ぶ際にも必ず通る道、「構造」「工法」について簡単ですがまとめていきます。
構造と工法
まず始めに、構造と工法について簡単に説明です。
構造とは、建物を支える骨組みであり「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」があります。
工法とはその構造を組み立てる方法となります。
ではそれぞれどのようなものがありどんなメリットがあるかを見ていきましょう。
構造
上記に書いたように、住宅としては木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造があります。
木造
日本で昔から主流としてある木造建築。今でも約6割を超えて選ばれているようです。
そんな木造のメリット・デメリットがこちらになります。
メリット
- 断熱性が高い
- 調湿効果がある
- 建築コストが安い
- 間取りの自由度が高め
断熱性が高い
木造は他の構造に比べて熱伝導率が低いのが特徴です。簡単にいえば熱の移動が少ないよということです。
これの何がいいのかというと、外が暑くても熱の伝わりが悪いので中は暑くなりにくく、逆に外が寒くても中が寒くなりにくいという特徴があります。
快適に過ごすためにかける光熱費も抑えることができます。
調湿効果がある
調湿効果とは、湿度を調整する効果ということです。
木材は湿度が高ければ吸湿して湿度を下げ、湿度が低ければ木材に含まれる水分を放出し湿度を上げてくれる役目があります。
日本では梅雨は多湿、冬は乾燥するためそれを和らげてくれる効果があります。
建築コストが安い
他の構造に比べて建築コストが安くなります。
もちろんハウスメーカー自体で値段設定が違うので単純比較はできませんが、鉄剤などと異なり防錆処理や耐火処理というのがないため安くなるようです。
また、木材が軽量であるため、家全体の重さが抑えられます。建物の重量が軽ければ、地盤に与える影響を軽減できるため地盤改良費を安く抑えることができます。土地の地盤によっては改良も必要なくなります。
間取りの自由度が高め
木材はカットしやすく、自由な間取りを設計しやすいメリットがあります。
また、増築などリフォームをしやすいのもメリットとなります。
デメリット
- 害虫対策が必要
- 耐用年数が短い
- 仕上がりに差が出やすい
害虫対策が必要
木造の天敵と言っても過言でないのがシロアリです。
シロアリの主食は木であり、風通しが悪く湿気が多い場所を好みます。
床下などの柱に被害をもたらすことがあり、気づかないと柱の内部が食われ耐震性に影響がでるおそれがあります。
対策として各社柱に防蟻剤を注入するなどを行っています。
耐用年数が短い
一般的に木造は耐用年数が22年とされています。鉄筋コンクリート造は47年。
ただ、耐用年数を過ぎると住めなくなるという意味ではありません。適切な施工とメンテナンスを行うことで長く住むことが可能です。
仕上がりに差が出やすい
木材は一本一本が天然のもののため同じ家を建てたとしても若干の村ができてしまいます。
また、木造は職人が手作業する工程が多いため、その職人の技術力に左右されることがあります。
特に地域の工務店などは技術力が如実に表れます。
鉄骨造
柱や梁などの骨組みに鋼鉄を用いた構造。そのメリット・デメリットは下記のようになります。
厚さが6㎜以下のものを軽量鉄骨造、6㎜以上のものを重量鉄骨造と言います。
メリット
- 耐震性が高い
- 開放感のある間取り
- 材料の品質が一定
耐震性が高い
丈夫な鉄骨を軸組や筋交いで補強していることや、鉄がしなることで地震が起きても揺れのエネルギーを吸収するため耐震性が高くなります。
開放感のある間取り
頑丈な鉄骨で構成されるため、建物を支える柱や壁の量を減らすことができます。
そのため木造に比べて広い部屋を作りやすいのが特徴となります。
材料の品質が安定
まず第一に木材と異なり均一な品質となるのが特徴です。木材の場合は木目などによって柱として使えないものがでてきますが、鉄骨の場合はすべて加工されているため同じ品質となります。
また、工場である程度組み立てられるため、現場での組み立て自体に高度な技術が必要ではありません。そのため完成度も安定します。
デメリット
- 耐火性が低い
- 断熱性が低い
- 建築コストが高め
耐火性が低い
鉄骨は高温に弱いため、火災が発生するとその熱をうけて鉄骨が柔らかくなり曲がってしまい、強度が低下する可能性があります。
そのため外壁や屋根、天井、床などに耐火性の高い素材を使うことで備える必要があります。
断熱性が低い
木材と違い、熱伝導が高いため外気温の影響を受けやすくなります。
その結果、夏は暑く、冬は寒くなってしまう傾向にあります。
熱の出入りを防ぐために性能の良い断熱材を使用するなどの対策が必要です。
建築コストが高い
木造よりも材料費が多少たかくなるようです。
また、軽量鉄骨造といってもある程度の重さはでるので、地盤改良の必要性があり、建築コストに響きます。
鉄筋コンクリート造
鉄筋とコンクリートを使用して造ります。基本はコンクリートで、その芯として鋼鉄を使用します。
そんな鉄筋コンクリート造のメリットとデメリットを紹介します。
メリット
- 間取りの自由度が高い
- 耐火性・耐震性に優れている
- 耐用年数が長い
- 遮音性が高い
間取りの自由度が高い
構造自体が強いため広い空間を作ることも可能です。
耐火性・耐震性に優れている
前述したとおり鉄筋とコンクリートからできており、熱に強いのが特徴です。
また、地震の揺れにもつよいため耐震性も問題ありません。
耐用年数が長い
木造などに比べて耐用年数は47年と長いのが特徴です。
遮音性が高い
コンクリートが比重が大きいため音を遮断する効果を得ることができます。
楽器などをやる予定であれば騒音トラブルを避けるためにおすすめではあります。
デメリット
- 建設コストが高い
- 断熱性が低い
- 湿気がこもりやすい
- 解体費用が高い
建設コストが高い
コンクリート自体が重たいため、家全体の重量が跳ね上がります。そのため地盤改良が必須となると思われます。
また、壁全体がコンクリートのため材料代としても他に比べて高くなってしまいます。
断熱性が低い
コンクリートも熱伝導率が高いため、外気の温度に左右されやすくなります。
夏は暑く、冬は寒くなるため、光熱費も高くなってしまいます。
湿気がこもりやすい
気密性は高いため、その分湿気などもたまりやすくなってしまいます。
場合によってはカビが発生してしまう原因にもなるため対策が必要です。
解体費用が高い
これは家を壊す際のことなのですが、木造などと違い、かかる手間や解体作業に要する時間も多くなってしまいます。
そのため解体作業でかかる費用は他に比べて高くなってしまうため注意です。
工法
続いて組み立て方である工法についてまとめていきます。
主に木造であれば「軸組工法」「枠組壁工法」
鉄骨造であれば「プレハブ工法」「ラーメン工法」
鉄筋コンクリート造では「ラーメン工法」「壁式工法」
などがあります。
これ以外にもいくつかありますが今回はこの6つについてそれぞれメリット・デメリットを記載していきます。
軸組構造
昔からある伝統的な住宅工法となります。基本的に柱や梁を組み立て骨組みを作り、筋交いと呼ばれる補強材を斜めにいれることで強度を保ちます。
メリット
設計の自由度が高いのが最大のメリットとなります。そのため狭小地や変形地にも向いており、窓を大きく設けることで採光・通風がよくなります。そして将来的なリフォームにも対応しやすくなっています。
また、多くの建築会社で対応しているため部材の調達もしやすく、コストを抑えることもできます。
デメリット
多くの建築会社で採用されていますが、仕上がりは工務店や大工による技術に左右されてしまいます。
そのため施工業者がえらびが重要となってしまいます。
また、その対策として工場で事前に木材を加工するプレカットが主流になりつつあります。
枠組壁工法
ツーバイフォー工法とも呼ばれ、北米では最も主流となっています。ツーバイフォーは2インチ×4インチの角材と合板を組み合わせパネルを作り組み立てていきます。2インチ×6インチで造るものをツーバイシックス工法とよびます。
メリット
柱で支える軸組構造に比べ面で支えることになるため耐震性能が上がります。
また、気密性や断熱性も高く、耐火性もあります。
工場でベース部分を生産し現場で組み立てることが多く、職人の技量に関係なく安定した品質の家ができます。また、比較的工期が短く済みます。
デメリット
多くの壁を必要とする分、間取りや増改築の際の自由度がさがてしまうのがデメリットとなります。
プレハブ工法
住宅で鉄骨造というとプレハブ工法を意味するケースがほとんどのようです。鉄骨軸組工法とも呼ばれます。
在来工法の筋交いの代わりにブレースにより強度を出します。
メリット
ほとんどの工程が工場で行われるため、品質管理がしやすく、ばらつきが出にくいという特徴があります。
また大量に供給することが可能であったり、工事が効率的に行えて工期を短縮できるのが特徴です。
デメリット
間取りの自由さがあまりないことがデメリットとなります。
また、箱型のユニットを現場でくみ上げていく場合は搬入経路が取れない狭い道路に囲まれた場所では施工できない可能性もあります。
ラーメン工法
工場で生産された鉄骨ユニットを現場に運び組み立てる工法。
ラーメンというのはドイツ語で「骨組み」のこと。
柱と梁の接点を強固に接合して骨組みを作ります。
メリット
工場である程度の工程がすすみ、現場ではそのユニットを組み立てるだけのため職人の技量は関係がありません。工場で作るため工期も短くすみます。
柱と梁を強固に接合しているため耐震性にもすぐれ、余分な壁を作ることもなく広い空間を作ることが可能です。
デメリット
一方で柱や梁が残るためその部分の凹凸が露出することがあります。
また、リフォームのときには大掛かりになることがあることや、狭い道路に面している場合はそもそもユニットが運び込めず施工できないことがあります。
壁式工法
2×4工法と同じ壁構造でつくられる工法です。
メリット
梁や柱を設けないで耐力壁を配置し支える工法。建物を支える柱や梁が室内に出ないため凹凸のすくないすっきりした空間を作れます。
デメリット
耐力壁は基本的に動かすことができないため、将来大規模な間取り変更をするリフォームは難しいです。
さいごに
簡単ですが今回は構造と工法についてふれました。
ここでは紹介しきれない工法もあります。
おすすめはやはり興味を持ったハウスメーカーへいき、その会社がどれを得意とするか、メリットは何か(デメリットはあまりいってくれません)を複数社で聞いてみる事です。
誰か一人にでも役立てば幸いです。
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