昨今2%のインフレを目指すとして物価が上昇していますが、インフレってそもそもなんなのか、そしてどのようにして起こるのか疑問に思うことはありませんか?
- インフレってそもそも何?
- インフレが起こる仕組みを知りたい
- インフレが行き過ぎるとどうなるの?
といった疑問を抱いた方のお役に立てれば幸いです。
インフレとは
インフレは「インフレーション(inflation)」の略語となります。
簡単に言ってしまえば経済的にはお金の価値が下がりモノの価値が上がる状態になることを指します。
具体的に言えば、おかしが今まで100円で買えていたとします。
お金の価値が下がると同じ金額では買えなくなってしまうので、100円より高い150円、200円になっていきます。
つまり値上げが起こることになります。

どうなるとインフレになるの?
インフレはお金の価値が下がると起こります。
ではどんな時にお金の価値が下がるのか。
それは流通するお金の量が増えることで価値を下げることができます。
簡単にイメージするとすれば、100万円という大金をいきなりもらったら誰もが嬉しく思うはず。
しかし、政府が国民1人に1億円をお年玉として毎年くれる世界であれば、100万円をもらってもそこまでありがたみはなくなります。(まぁ、そんな世界はこないですが)

では、どうやって流通するお金を増やすのかは「財政政策」と「金融政策」によりコントロールを行います。
財政政策でお金を増やす
財政政策は政策によってお金の流通量を増やす方法。
具体的には次のようなものがあります。
- 減税
- 所得再分配
- 社会保障の充実
- 公共事業の増加
いづれも国民の手元にお金が入るような動きをすることになります。
減税をすれば出ていくお金は減るので手元に残るお金が増え、所得の再分配をすることで金銭的余裕がなかった家庭には余裕が生まれます。社会保障を充実させたり、公共事業を増やせばやはり収入が増えることで手元にお金が増えていきます。
そうして手元のお金が増えることで消費がすすみ、お金が流通しやすくなります。
金融政策でお金を増やす
金融政策は日本銀行の施策によりお金の流通を増やす方法になります。
具体的には次の2つの方法があります。
- 金利を下げる
- 買いオペでお金をばらまく
金利を下げると、安くお金を借りることができるため民間銀行が日本銀行から借りるお金が増えていきます。そうすると、各企業や個人も民間銀行から借りるお金の手数料がさがるため借りやすくなり、企業であれば設備投資に、個人であれば車や家の購入といった大きな買い物がしやすくなりお金が流通していきます。
買いオペをすることで市場にある債権や手形を買い取り、市場にお金が流通していきます。
買いオペについては下の記事を参考にしてみてください。
適度なインフレは経済には良い
インフレでお金の流通が促進されていけば多くの人の購買意欲が上がっていきます。
そうすると、適度な値上げがされても購入する人が増えます。値上げされて売り上げが増えた分が従業員の給与に反映されれば、購買力が上がりお金の使用が増え企業の売り上げがさらに伸びていき・・・。といった具合にお金が循環していきます。

しかし、インフレが急激に進むと経済が破綻してしまうことになります。
過度なインフレは経済破綻に繋がっていく
緩やかに物価が上がることで経済にいい循環をあたえていきますが、それが急激になると「ハイパーインフレーション」を起こします。簡単に言えば物価が急激に上昇してしまい手が付けられなくなること。
文字通りお金が紙くずに変わってしまいます。
有名なのがジンバブエで起こったハイパーインフレーション。
社会や経済の授業などで見たことがある人も多いと思いますが、リヤカー一杯の札束を積んでパンを買いに行くようになってしまいます。

そうなると経済が回るどころか正常な経済活動は行えなくなってしまいます。
このように単にインフレといっても「良いインフレ」と「悪いインフレ」が存在します。その解説については下の記事を参照してください。
インフレのデメリット
良いインフレと悪いインフレとありますが、どちらにも共通のデメリットはあります。
それは「目減り」。
経済が回って収入が増えればこの目減りも薄まりますが、そもそもそれまでに稼いで貯めたお金の価値はただ下がってしまうだけの可能性があります。
インフレでモノの値段があがると同じ金額であっても買えるものが減ってしまいます。
物価が2%上昇しても、給料が2%増加すれば生活は変わりません。しかし、貯金していたお金は急に2%増えることはありません。銀行の利率は0.1%前後。物価の上昇に対して銀行預金の利率がおいつかず、どんどん預金されているお金の価値は目減りしてしまいます。
その対策は?
その対策としてはNISAなどによる非課税の恩恵を受けてのインデックスファンド投資がおすすめです。
NISAやインデックスファンドについてはに関しては下の記事を参照して下さい。
さいごに
今回はインフレについての基本的な説明を行いました。
日本はインフレを目指しているので知っていて損はないです。むしろ勉強をしていないと取り残されてしまうかも・・・。
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