ジンの種類について

雑記
Gin and tonic cocktail with lime slices, rosemary and ice on a rustic wooden table

お酒シリーズと化してきている雑記コーナー。

今回は蒸留酒の仲間であるジンについてまとめていきます。

ジンの歴史

ジンの起源は16世紀のオランダで生まれたジュネヴァという薬用の蒸留酒でした。

右の写真にあるジュニパーベリーを麦などの穀物から作られた蒸留酒に香りづけしたものです。

もともとジュニパーベリーは薬効があることが知られており、紀元前1550年のエジプトでは黄疸(肝機能の低下で皮膚が黄色くなること)に対して効果があると記されていたり、ペストの流行時にはマスクにジュニパーベリーを詰めて医師が診療にあたっていたそうです。

お酒に混ぜられ始めたのは12世紀のころで、ワインと混ぜて蒸溜され強壮剤として薬用で用いられれていました。

1500年代前半に冷害の影響でブドウの入手が困難になったことで、穀物を原料とした酒をベースに混ぜられるようになりました。

これにより、出来の良くない蒸留酒でもボタニカル(香草やスパイス)の香りで飲みやすくできたことから、薬用であったジュネヴァが16世紀に嗜好品として広まったのです。

こうしたジュネヴァが17世紀前半に起こった三十年戦争をきっかけにイギリスへと伝わり「genever」が「ginever」へと変化し、「gin」と呼ばれるようになりました。

そして18世紀になりフランス産の蒸留酒を輸入禁止とし、国産の穀物製の蒸留酒の税金を大幅にさげたことでイギリスでジンが大流行しました。

ジンがジュニパーベリーを使い風味をごまかせるため、ビールに使えない粗悪な大麦の蒸留酒をボタニカルや砂糖でごまかす酒へと変わっていきました。

低価格で造られることで貧困層で消費量が伸びていき、1720年代から1751年にかけて「狂気のジン時代」と呼ばれています。

この時代、ジンを提供する店に犯罪者が入り浸っていたため、ジンへの印象は悪化していきました。『名探偵コナン』でもジンは黒の組織の筆頭というイメージでとても悪いですよね。

そうしたこともありイギリス政府は1729年以降から1751年まで何度も規制を行っていき、ジンの人気は下火になりました。

厳しい増税を受けたジンは値段に見合う高級志向に代わっていき、それまで悪い風味をごまかすために砂糖を使用していたが、甘味を好む大衆に合わせて砂糖を足して甘口のジンが作られるようになった。

一方で健康志向の富裕層を中心に甘くないものが受け入れられ、ドライ・ジンというスタイルが確立した。

このように高品質のジンが生まれたことで海外輸出が解禁となり、アメリカに渡ったジンはカクテルのベースとして高い評価を受けるようになり様々なカクテルが生まれました。その代表格が「マティーニ」です。

このような一連の流れから、「ジンはオランダ人が生み、イギリス人が洗練し、アメリカ人が栄光を与えた」と言われています。

製造方法

ジンのベースはニュートラルスピリッツと呼ばれる高アルコール度数のお酒です。

糖化

穀物を原料とし、発芽したものを乾燥・焙焦により生育を止めて、粉砕したものを原料と混ぜて加熱することで糖化を行います。

発酵

それらに酵母を混ぜ合わせ、2~3日寝かします。

蒸留

発酵でできた醪を連続式蒸溜器で加熱・気化させることでアルコール度数95%以上のニュートラルスピッツを作ります。

再蒸留

ニュートラルスピッツにボタニカルを投入し再び蒸留器へ投入します。

この二度目の蒸留により香気成分がアルコールと混ざります。

この時2つの方法があります。

浸漬法

ニュートラルスピッツをボタニカルに浸して単式蒸留器でゆっくり再蒸留する伝統的な方法。

バスケット法

蒸留した蒸気を別に取り付けたボタニカルを詰めた筒に通して香りづけをする方法。

加水

再蒸留したもののアルコール度数は60~70度と高いため、これを40~50度になるように加水して瓶詰をされます。

ジンの種類

ジンの種類については製法によって4つの種類に分けることができます。

ドライ・ジン

トウモロコシや大麦麦芽を主原料としたもの。

連続式蒸留器を用いて純度の高いスピリッツを作ることで原料の風味は極限まで排除される。

ジュニパーベリーなどのボタニカルを加えて再蒸留をする。

ジュネヴァ・ジン

大麦麦芽などの穀物を使用。

単式蒸留器で行うことで穀物の風味を生かすのが特徴で、甘みが強くユニークな味わいになる。

オールド・トム・ジン

「狂気のジンの時代」に好まれたジン。

2%程度加糖して造られ、ドライ・ジンとジュネヴァ・ジンの中間くらいの甘みをもつ。

名前の由来は、18世紀のロンドンでジンの密売を行っていた店舗にかけれた木製看板に使われた黒猫の名前「Old Tom Cat」に由来するというのが通説。

シュタインヘーガー

ドイツで主に作られ、大麦麦芽などの原料によるグレーンスピリッツに生のジュニパーベリーを単式蒸留器で発酵させたものを混ぜ合わせて再蒸留し作る。

ドライ・ジンよりマイルドな口当たり。

さいごに

今回はジンについてまとめてみました。

だれかのお役に立てれば幸いです。

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