『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』のすすめ

本・映画

今回は2022年12月に公開された日本映画の『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』のおすすめをさせていただきます。

前回が戦争関連の映画だったので今回も第二次世界大戦関連のネタにしました。ただ、今回はフィクションになります。

なぜ今回これを選んだのかそれは2024年8月13日~15日にかけて全国で再上映があるようなのでそれに合わせてご紹介です。

前回の記事はこちらから。

あらすじ

見ず知らずの子供を助けたことで亡くなってしまった父親に対して不満をもつ高校生の百合。父が無くなってしまったために取り残された母と自分が大変な目にあっていると思い母親と衝突してしまう。雨の中家を飛び出し近所の防空壕跡地で一晩雨宿りをすることに。

そして夜が明けるとそこはいつもと違う風景であった。待ちをさまよい歩き倒れてしまう。そこに軍人の彰がとおりかかり百合を助けます。何か食べるものをと軍の指定食堂に連れていき、女将のツルを紹介します。

そこに置いてあった新聞で現在の日付を知ってしまう百合。初めてここでタイムスリップで過去にきたことを知ってしまいます。そして慌てて飛び出し防空壕に戻りますが元の世界には戻れず。食堂に戻り住み込みとして働くことになります。

そして彰たち軍人との交流もあり、彼らが特攻隊のメンバーであること、出撃命令をまつ者たちだと知ってしまいます。そして・・・。

タイトルの意味

「あの花が咲く丘」とはタイムスリップし彰に助けられ、その後仲良くなった際に訪れたのが百合の花が咲く丘でした。

そこで妹のように扱われる百合。その後もその丘に訪れます。

その丘のことを指していると思います。

「君とまだ出会えたら」はこれから特攻をする人、残される人の気持ちの表れです。

もう会えない、でも会いたい。とてもストレートな気持ち。

キャスト

加納百合 役:福原遥

小学生1年から子役としてデビューをしている方。

子役として活躍している以外にも、映画にも多数でているようです。そして、さらには歌手としてもデビュー済み。

今回の作品で第47回日本アカデミー賞の新人賞を受賞しています。

ちなみに、他の作品は「チア☆ダン」や「賭ケグルイ」などにもでています。

佐久間彰 役:水上恒司

2022年8月までは岡田 健史としてドラマや映画にでていました。これは以前の所属事務所での芸名で、現在は移籍をし本名で行っているようです。

小学2年に野球を始め、甲子園を目指して野球に没頭をしていたようです。

そのため、中学1年から前事務所からスカウトをされつづけても断り野球に没頭していました。

転帰は高校3年の野球部引退後に演劇部顧問の教師に誘われ、特攻隊員を演じたのがきっかけでした。

その時の演目で全国口頭学校演劇大会に出場し九州ブロック大会最優秀賞を受賞しています。

その後役者をめざすようになり、NHKの大河ドラマにも出ています。

今回の作品では第47回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞しています。

石丸 役:伊藤 健太郎

元々はkentaro名義で雑誌や広告でモデルとして活動をしていました。

その後、2014年に昼ドラで役者デビューをしたときには健太郎名義おなっています。

現在の芸名は2018年に「今日から俺は!!」の出演をきっかけに伊藤性がつき、伊藤健太郎となっています。

そんな彼は第42回日本アカデミー賞で「コーヒーが冷めないうちに」で新人俳優賞を受賞。

そして今回の作品で第47回日本アカデミー賞の優秀助演男優賞を受賞しています。

個人的感想

ここからは盛大にネタバレがあるためまだ見てない人は読まないでください。

なぜ特攻したがるのか

ある晩に彰や石丸が話をする場面があります。そこで「坂本」がイセエビやお酒を飲んでいたという話をします。

それは翌朝の特攻のための最後の晩餐であることを意味します。

普通に考えれば嫌ですよね。明日で自分の命が最期になるとわかっているなんて、しかもそれは自分で終わりを作るわけです。

国の為に自らをささげようとする彼らの気持ちのあらわれなんでしょうが、現代の人からみれば百合と同じ反応をするでしょう。

本当に当時の人たちはそう思っていたのか。中にはそうではない人もいたと思われますが、そういう人たちばかりだとすればある種の洗脳に近い気もしてしまいます。それとも、ほんとうに自己犠牲の気持ちにあふれた人ばかりだったのか。

生まれる前に転属

特攻隊員の寺岡は妻と前年の冬に生まれた娘がいると作中に明かされます。

しかし、子供が生まれる前に転属となりまだ子供と直接あってはいないということがわかります。

まだ見ぬ子を残して特攻にいくなんて・・・。

そもそもなんで転属があるのか。やはり地元では家族との交流が残り未練が生まれてしまうからでしょうか。

だとしたらこういう悲劇もあちこちで起こったでしょう。

ただ、少し思うのが、この時は6月ごろでおそらく生まれたのが冬なら半年前くらい。少し大きいような気も・・・

両親を亡くした少年

作中で家の隙間に座り込む少年がいます。

百合はそんな彼に食べ物を差し出します。彼は父親を戦争で亡くしたと無表情で答えます。そして、母親は爆弾による火が服に引火し水がなく消せなかったと泣いて話をします。

そしてその後に空襲にあってしまう百合。足を挟まれ迫りくる炎に襲われるシーンがありますが、このための伏線としてのシーンかと思ったら・・・。まさかのその子が空襲で亡くなっているシーンが。

まさかでした。いや、そっちの可能性もありますよね。でもあまりにもむごいなと思いつつ、実はその方があの子にとっては良かったのかもとも。母親が目の前で焼死する様をみてトラウマで過ごすより・・・。さて、この子にとってはどちらがよかったのでしょう。

彰の旅立ちシーン

最初はいかないとしていた百合も、彰からの手紙を見つけ基地へと急ぎます。

そんな彼の胸ポケットには百合の花が。あの丘でつんできたのでしょうか。

そして突風が吹き、百合が目を逸らし開けたときには現代に戻ってくるという演出。

てっきりエンジントラブルで飛びたてず結果助かる的なものを想像していましたが、しっかりと飛んでいきました。

そして現代での社会科見学で英霊としてか彼の写真がしっかりと飾られていました。そして彼が残した「百合へ」の手紙も公開をされています。

タイトル回収はされずに、ほんとうにただの希望としての意味のタイトルだったのだなと思いました。

石丸の手紙

母親にあてた手紙。

「こんばんは、あの世からの手紙です。

明日、出撃いたします。20年あまり誠にお世話になりました。

楽しい人生でありました。何一つ未練などございません。

ついでに言うと、借金も愛人も隠し子もありません。

どうか安心してください。

それではちょっと征って参ります。

笑って潔く散ります。

さようなら」

なんとも石丸らしい最期の手紙だとおもってしまいます。

しかし、本当に未練はなかったのか、千代のことはどう思っていたのかなと思ってしまいます。

寺岡の手紙

寺岡さんの手紙は全文を読むことができませんでしたが、その中でいいなと思うのは、娘の愛子へあてた手紙。

それは冒頭が「オオキクナッタラヨンデクダサイ」で始まります。

しっかり子供のことを考えてカタカナで書かれているところに胸を打つものがあります。

「オオキクナッタラ」がどれくらい先になるかわかりません。なんせ6カ月程度と推測されるので。それでも早く読んでほしいがゆえにカタカナにしたんだろうなと思うと・・・。

さいごに

現在Amazon prime videoにて無料で視聴が可能です。

また、この作品は小説や漫画が原作であるのでそちらもどうぞ。

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