今回はビールの種類についての雑学を。
ちょうど二日前に書いたカリフォルニアディズニーの旅行でも飲んでいたIPA。
そもそもIPAってなんだと思い今回色々調べてみました。
まずは歴史
ビールはいつから作られていたのでしょうか?
①100年前?
②500年前?
③1000年前?
さぁ答えは何でしょうか?
そう、答えは紀元前5千年ですね。(誰も3択とは言っていない。)
紀元前5千年というと今から7000年も前。え?本当に?
紀元前3500年には世界中に広まったとされ、古代エジプトやメソポタミア文明の歴史書にも記録されているようです。
当時のビールの製法については2つ仮説があります。
1つは大麦を消化の良い麦芽パンにする技術から派生して誕生したもの。パンにしてからこれを水に浸してふやかし、麦芽の発行で糖化進行させアルコール発酵をするというものです。
もう一つは現在のビールに通じる製法で、エンマー小麦を原料に、麦芽と煮て柔らかくした麦を合わせて酵母を添加して発行したものです。
その後は11世紀にドイツの女子修道院にてビール作成に雑菌抑制効果や風味付けの為にホップを用い、15世紀にはドイツのビール醸造で主流となりました。1516年にバイエルン公ヴィルヘルム4世によりビール純粋令が発令され、原料として麦芽以外にはホップと水のみしか使用しないように命じられました。
19世紀には酵母の研究がすすみ様々な種類のビールが作られていきます。
ビールの製法は大きくわけて3つ
ビールには様々な種類があります。しかし大きく分けると3パターンの製法になります。
- 上面発酵
- 下面発酵
- 自然発酵
ではそれぞれどのような作り方なのか。
上面発酵
こちらは20~25度のやや高めの温度で発酵を行う醸造法となります。酵母が麦汁の表面に浮き上がってくるため上面発酵と呼ばれます。この製法で作られるものをエールと呼びます。熟成期間は約2週間程度です。
一般に上面発酵の方が醸造は容易であり、下面発酵の技術が普及するまではビールというとこのつくり方でした。
下面発酵
こちらは10度以下という低温で約1か月ほどかけて発酵させる醸造法となります。役目を終えた酵母が沈殿するため下面発酵と呼ばれます。この製法で作られるものをラガーと呼びます。
もともとは中世ドイツのバイエルン地方のローカルなビールで、秋の終わりに洞窟の中に材料を貯蔵させ春に取り出していたようです。冷蔵庫が発明された19世紀以降瞬く間に世界のビールの主流となりました。
自然発酵
自然にまかせて発酵させる方法で、煮沸後にホップを加えた麦汁を冷却し、自然界に生息する野生の酵母を根付かせるやり方です。
現在でもアフリカの伝統的なビールやいわて蔵ビールでも一部この製法が取れているそう。乳酸発酵も行われるため特有の酸味がでるとか。
エールビール
上述したように上面発酵により作られるビールで、香り高く味わい深いものとなります。フルーティーな風味が生まれ、ビールが苦手と感じる人でも飲みやすいという特徴があります。
ラガービールとは異なりのどごしではなく、じっくりと香り・味を楽しむものとなります。そのため冷やしすぎることで風味をそこなってしまうことがあるため、種類によっては常温で飲むことが推奨されます。
ペールエール
イギリスの定番のエールビールです。ホップの豊かな香りと程よい苦みが特徴です。
日本の製品として『よなよなエール』がこれに当たります。柑橘系の香りと甘みが特徴であり、13度が至適な温度とされています。
IPA(インディア・ペールエール)
ペールエールにホップを大量に加え、香りと苦みを強くしたものになります。加えるホップの品種によっては、青草のようなみずみずしい香りや、南国フルーツのような香りなど様々です。苦みが強いですが、嫌な苦みではなく味わい深い苦みとなっています。
日本の製品としては『インドの青鬼』がこれにあたります。ホップの苦みを感じられるもので、こちらも13度が至適な温度のようです。
ヴァイツェン
ドイツが発祥で、原材料の半分以上に小麦麦芽が使用されています。苦みは抑えられており、華やかな香りとフルーティーな味わいが特徴的です。
日本の製品としては『銀河高原ビール』がこれに当たります。苦みは控えめで、バナナのような香りが楽しめます。こちらは10~13度が至適な温度となっています。
スタウト
主にアイルランドで作られます。本場のスタウトは黒くなるまでローストした大麦を使用しコーヒーを思わせる香りと苦みがあります。
日本の製品としては『ノクターナル スタウト』がこれに当たります。コーヒーのようなロースト香と甘みがあります。こちらは12~15度が至適な温度となっています。
ホワイトエール
ベルギー発祥で、コリアンダーなどのハーブやオレンジピールなどがプラスされており、フルーティーな雨宮スパイシーな風味を味わうことができます。
日本の製品としては『水曜日のネコ』がこれに当たります。オレンジの味が口に広がるような味わいで苦みは少ないです。こちらは10度が至適な温度となります。
ラガービール
上述したように下面発酵により作られるビールで、のどごしを重視したビールとなっています。日本のビールの多くはこちらになります。
のどごしを重視しているため、こちらは6~9度と冷やして飲むことが至適な温度となっています。
ピルスナー
チェコのプルゼニ地方を発祥とするビールのスタイルで、さわやかな苦みを特徴とします。
世界の大半のビールはこのピルスナースタイルであり、日本のビールも多くがピルスナースタイルとなっています。
メルツェンビア
ドイツの南部の州、バイエルン州で飲まれているビール。3月に醸造することから、ドイツ語で3月を意味する言葉Märzが名前の由来です。
色は赤みがかった琥珀色をしています。
ボックビール
ドイツのアインベックが発祥とされるもので、アルコール度数がやや高めです。色味は濃褐色となります。
ボックの中にもさらに種類がわかれますが、ここでは割愛します。
自然発酵ビール
自然発酵のものは、各地域において様々なビールの種類が存在します。世界的に有名なのはベルギーにおける『ランビック』と呼ばれるビールとなります。日本でも自然発酵のビールは作られており、いわて蔵ビールなどがあります。
ランビック
ベルギーの自然発酵のビールの総称ともいえる種類。独特の香りと独特で強い酸味が特徴です。ベルギーのパヨッテンラントと呼ばれる地域のみで醸造されるビールで有名です。
このランビックをさらに発展させると下記のような種類ができます。
グーズ
新しいランビックと古いランビックを混ぜて瓶詰したもので、瓶の中で二次発酵が起こります。便のまま20年程度まで保存できるのが特徴です。
ファロ
ランビックに醸造したばかりの薄いビールや水を混ぜて薄め、黒砂糖やキャラメル、糖蜜を加えたもの。
クリーク
熟成が充分ではないランビックもしくはグーズに対して、クリークと呼ばれるチェリーを浸して瓶の中で二次発酵させたもの。辛口で酸味が強いのが特徴。
フルーツ
ランビックにフランボワーズや桃など様々なフルーツを加えて二次発酵させて作るものの総称。
いわて蔵ビール 自然発酵ビール
岩手県にある老舗の蔵元が製造。オーガニック認証の麦芽とホップにこだわって造られたビール。
干し柿の天然酵母を用いた自然発酵を行い、苦みの少ない上品な味わいとフルーティな香りとなっている。
おわりに
IPAを調べたら長くなってしまいましたが、ビールの歴史から製法や種類などを学びました。
まだまだ細かいことは書ききれていませんが、今回はここまでとさせていただきます。
皆さんもいろいろなビールを味わって、自分にあうものを探してみてください。
それでは!
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