今回は蒸留酒の中のブランデーについて記事を書こうと思います。
これまでのお酒の関連の記事についてはこちらをご覧ください。
ブランデーとは
フルーツから作られる蒸留酒の総称となります。
初めはブドウから作られる蒸留酒をさしていましたが、現在はリンゴやサクランボ、洋ナシなどもブランデーの原材料となります。
原材料がトウモロコシや麦などの穀物になるとウィスキーとなります。
ブランデーの歴史
ブランデーの始まりは7~8世紀頃にスペインでワインを蒸留したことであるといわれています。
その後、15世紀のフランスにて作られました。特にコニャック地方やアルマニャック地方で作られていたブランデーは世界的に知られています。
1713年にはフランスのルイ14世がブランデー保護をうたう法律を作りました。その後はヨーロッパ各国の宮廷に取り入れられ、「王侯の酒」となりました。
ブランデーの作り方
原料の収穫
ブランデーの原料には様々な果実が利用されます。ブランデーで有名なコニャックやアルマニャックは白ブドウを原料としています。
中でも世界で2番目に多く作られている品種である「ユニブラン」という白ブドウが使われます。これは9月~10月が収穫期となります。
破砕
収穫・選定した白ブドウを枝や葉が入らないように注意しつつ、機械にいれて白ブドウを果実のみにしていきます。
搾汁
破砕し果実の実になった白ブドウを収穫後に圧搾機を用いて果皮や果汁をつぶさないように圧搾し果汁を搾りだす工程です。
発酵
搾りだした果汁を大樽にいれて発酵を行います。
発酵には2つの方法があります。
1つは自然発酵、もう1つはイースト菌を加えて発酵させるものです。
高級なブランデーは基本的に自然発酵によって発酵されます。
蒸留
アルコール成分を抽出する作業で、非常に重要な工程になります。
蒸留には2つのパターンがあります。
単式蒸留
初留と呼ばれる工程を3回、そして再留を1回の2段階で行われます。
初留では蒸留してすぐに出る液体である「テット」、蒸留の最後に出てくる液体である「クー」、そしてその中間の「ブルイ」に分かれます。
再留ではその「ブルイ」を用いて蒸留します。
連続式蒸溜機
すべての過程を一度の操作に行えるため利便性はあります。
これは連続式蒸留機の中に単式蒸留器がいくつも組み込まれており、作業が泊まることなく蒸留がされるからです。
貯蔵・熟成
蒸留が終わったものは樽などにいれて貯蔵を行います。木の樽にいれることで香りや色味が変わります。
基本的には3年以上熟成させることで完成します。
ブランデーの種類によって、木の樽の背産地や作り方も厳しく定められています。
この熟成によりブランデーは琥珀色に変わり香りの変化が出るだけでなく、もう一つアルコール度数の変化がおこり、40%前後に落ち着きます。
調合
熟成をしたブランデーは熟成年数の異なるブランデーと混ぜられて出荷されます。これを調合と言います。
定番品として売り出すためには同じ品質を保つ必要があるため、できたブランデーを調合する必要が出てきます。
後熟
調合が終わったブランデーはもう一度樽詰めされて熟成に入ります。
この工程をとることで、調合されたブランデー同士の味がまとまるとされています。
瓶詰
出荷をするために瓶詰が行われますが、手作業で瓶詰めするメーカーもあれば機械による瓶詰を行うメーカーもあります。
瓶詰後も熟成されるかどうかについては解明されていませんが、まろやかな味わいに変わるという意見もあるようです。
熟成年数
ブランデーは熟成した年数によりランクがあります。
これはブランデーの種類にもより、コニャックとアルマニャックというブランデーの種類では「コント」という専用の単位が使用されます。ただし、この2つのブランデーの間で「コント」の基準は変わります。
ちなみに、コントは年数であり1年すぎると「コント1」さらに1年過ぎると「コント2」となります。
基準日があり、コニャックでは4月1日が、アルマニャックでは5月1日を基準日とします。
コント0はそれぞれの最初の基準日を過ぎてから、次の基準日が来るまでの間をさしますが、そもそも最初の基準日がくるまでのものは「コント00」となります。
一般的には次のものが用いられるようです。
呼称 | 年数 |
---|---|
1つ星 | 3~4年熟成 |
2つ星 | 5~6年熟成 |
3つ星 | 7~10年熟成 |
VO(very old) | 11~15年熟成 |
VSO(very superior old) | 16~20年熟成 |
VSOP(very superior old pale) | 20~30年熟成 |
VVSOP(very very superior old pale) | 30~45年熟成 |
XOクラス,ナポレオンクラス,エクストラクラス | 45年以上(エクストラは70年) |
さいごに
今回はブランデーについて記載をしました。
少しでも興味を持っていただけたら幸いです。
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