『フリーガイ』のすすめ

今回はDisney+で配信中の「フリーガイ」についてのおすすめです。

2021年のアメリカのSF映画で、アメリカでは20世紀スタジオ、日本ではウォルト・ディズニー・ジャパンの配給により劇場公開されました。

コメディー要素も多くとても楽しく見ることができたので是非皆さんにもみていただければなと思います。

基本的にはねたばれしないように書きますが、感想以降はネタバレがあるので注意してください。

あらすじ

ルール無用で様々な悪事にまみれた街「フリー・シティ」。サングラス族と呼ばれるものは町の中で車を破壊したり銀行強盗を行ったりやりたい放題であった。

真面目に働く銀行員のガイは毎日銀行強盗にあいながらこの街で過ごしていた。

ある日サングラス族の女性モロトフ・ガールに一目ぼれをして話しかけるが相手にされなかった。警備員の親友バディの一言で、銀行強盗にきたサングラス族からサングラスを奪いかけてみることに。するとそこには今まで見えていた景色と違った景色が広がっていた。

フリーシティは現実の世界ではなくオンラインゲームの世界であった。モロトフはこの世界であるミッションを行おうとしており、ガイは全く相手にされずにいた。

タイトルの意味

ガイはこのゲーム世界のモブキャラ。

決められた行動で決められたセリフをいう毎日であるがある時モロトフに一目ぼれをしてしまいます。

そこから今までとは違う行動をするようになります。

モブとして拘束された人生(?)からモブとしてではない自由な行動をする世界へと変化していくことに対する意味合いでつけられていると思われます。

キャスト

フリーガイで特筆すべきキャストをお二人あげさせていただきます。

ガイ役:ライアン・レイノルズ

カナダで俳優デビューをし、のちにアメリカに進出されています。

代表作にはデッドプールのシリーズがあり、ゴールデングローブ賞主演男優賞にもノミネートされた経歴があります。

映画俳優だけでなくコメディ俳優としても活躍しているようです。

アントワン役:タイカ・ワイティティ

俳優業のほかに監督業も行っています。2005年には短編映画「トゥー・カーズ、ワン・ナイト」でアカデミー賞短編映画賞にノミネートをされました。

他に監督としては「マイティ・ソー バトルロイヤル」「ソー:ラブ&サンダー」などがあり、いづれも俳優としても参加をしています。

個人的感想と見どころ

ここからは盛大にネタバレがあるためまだ見てない人は読まないでください。

ガイのルーティン

朝起きて、金魚に挨拶をし、着替えたのちに朝ごはんをとりながらテレビニュースを見る。それがガイのルーティンです。しかし、それだけではなくブラインドを開けたり閉めたり、コーヒー店でお決まりのコーヒーを頼み、靴を眺めるというルーティン。

ほとんどがわかるのですが、ブラインドの開け閉めだけ「何してるんだ?」と思っていましたが、最後にその意味がわかりました。

何気ないルーティンにも意味合いを持たせてありつくりこまれているなという印象でした。

また、このルーティンのおかげで、初期化された演出もわかりやすくなりました。

バディの必要性

バディは銀行の警備員をしているモブキャラとして出演。そして同時にガイの友人でもありました。

時にはガイをなだめ、時にはガイの人生相談に乗り、そして諫めます。

役割はモブキャラですが、ただのモブキャラではなくこの映画では様々な場面でバディがかかわってきます。

ガイが記憶をなくす前に自分がモブであり偽りの世界に生きていると知った時にもガイはバディの元へ行き相談をします。「今この時、ここにある、この瞬間はリアルなんだ」とガイにいうシーンはなんか心に沁みました。

一番の活躍は映像記録を盗みに行くシーン。警備員仲間を使って侵入したようでしたが、その活躍がなければ何もうまくいかなかったでしょう。

そして最後はDUDEとの戦い前に駆けつけています。戦い自体は全くもってやくだっておらず、ただの筋肉大好きな人みたいになっていました。その後殴られ戦線離脱はしますが、最後は一緒に橋を渡ります。しかし、途中で橋が崩れ取り残されるバディ。

「止まるな、行くんだ、一人で行ってくれ。人生ずっとおびえてきた、でも怖くない」「たどり着いて見せてくれ、俺たちも大事だって」といって消えていきます。

自分は消えゆく中、ガイを後押しする姿はしびれます。

ガイの記憶が戻るときの演出のきれいさ

ガイは再起動により記憶を失います。

しかし記憶を取り戻し、プログラムコードの盗用の証拠を見つけ出したいミリーはガイの記憶を思い出させようとします。

そしてキスをすることで記憶が戻るというありふれたものですが、その際の演出がとてもきれいでした。

その前のシーンでAIの可能性について分岐を用いて説明をしていたシーンがありましたがその図をベースに用いた演出でありきれいでした。

様々なパロディネタ

この映画には様々な他の映画の要素やキャラクター要素がありました。

特に最後のDUDEとの戦いではキャプテンアメリカの盾やハルクの腕がでてきました。盾が出てきたときはキャプテンアメリカ本人も出演。

他にもスターウォーズのライトセイバーや、ロックマンの武器であるロックバスターなども出てきます。また、キーズの部屋にはパックマンにでてくるキャラクターも。

ミリーとキーズの関係性

元々ゲームのプログラマーで二人でゲームを作っています。その時のインタビューで二人の関係を聞かれたときにミリーは恋人ではないことを断言します。しかしキーズはすこし言いよどむ感じ。

後々わかることですが、すでにこの時にはキーズはミリーのことが好きでした。それが要所要所に垣間見えます。ガイとキスをしたことを聞いたときも少し慌てたり、ガイが記憶を無くしたときにも「夢の女性=ミリー」と伝えています。この時その動画はそこで切られてしまいますが、終わりの方でその続きを聞くことができます。

ずっと興味がなかったミリーですが、ガイからの「僕のプログラムに書いてあるんだよ、プログラムは誰かが書いた。僕は君へのラブレター、外の世界に書いている人がいる」と声をかけられ気づいてしまいます。そして動画の続きを聞くことでキーズの思いに気づく姿。とても素敵な結ばれ方な気がします。

もしこの世界が現実にはなかったら

実は今生きているこの世界が、このブログを読んでいるあなたもプログラムされたキャラだとしたら?

昔からこのような考えはあったようで、16世紀の哲学者ルネ・デカルトは「シミュレーテッド・リアリティ」としてこの世界が非現実のものではないかという疑問を持っていました。

また、紀元前の中国の思想家である荘子は「胡蝶の夢」という蝶になった夢を見て目覚めたときに、今は蝶が夢で見ている自分なのではないかという考えを巡らせたこともあるようです。

確かにガイのような成長するAIをみると、自分も実は22世紀くらいのゲームのキャラとして21世紀を生きているだけなのではないか、過去の思い出や昨日の出来事はプログラムされたことなのではないかという気になってきます。

さいごに

今回は「フリーガイ」について記事を書かせていただきました。

中々に面白い映画であり皆さんにも見ていただけたらなと思います。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-33.png

Amazonはこちらから。

Amazonはこちらから。

コメント

タイトルとURLをコピーしました