新築住宅を建てるときの土地の規制について

生活・家

今回は前回からの延長として土地を購入する際に気を付けたほうがいい土地の規制についてご紹介していきます。

詳しくは『勉強』のカテゴリーで記載させていただくので、今回は簡単に注文住宅を建てるときに参考になる部分だけ解説していきます。

用途制限

都市計画法では用途地域を13に区分しています。

その13個の区分が「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」「田園住居地域」「第一種中高層住居専用地域」「第二種中高層住居専用地域」「第一種住居地域」「第二種住居地域」「準住居地域」「近隣商業地域」「商業地域」「準工業地域」「工場地域」「工業専用地域」

この区分した土地に対して、建築基準法で定められた規則で建築できる建物とできない建物が具体的に定められています。

それを記したのが右の表です。(多少文字がつぶれてしまいました。よければ五泉市のHPまたはお住いの地域のHPでご確認ください。)

住宅に関しては「工業専用地域」以外の12種類について建設が可能となっており、ほぼどこにでも建てられることは建てられるのです。

なのでこの点だけで考えると土地選びはどこでもよさそうではあります。しかし、住宅以外の建物の建築可能地域も併せて考えてみてください。

最もわかりやすい例を出すと工場の欄の「危険性が大きいか著しく環境を悪化させるおそれがある工場」です。

引用:五泉市HP 都市計画用途地域 より抜粋

その「工場」が建てられるのは「工業地域」または「工業専用地域」に限られます。

住宅は「工業専用地域」には建てられませんが、「工業地域」には建築可能です。

可能ですが、そんな危険な「工場」の隣に家を建てたいかというところです。

今は建っていなくても、「工業地域」に家を建ててしまえばあとから周りに工場が建つ可能性が充分にあるということです。

環境が悪くなるほか、トラックなどの出入りも多くなり、子供の事故のリスクは上がってしまうでしょう。

他にも、パチンコ屋は「第二種住居地域」「準住居地域」「近隣商業地域」「商業地域」「準工業地域」「工業地域」には建設が可能となっています。

パチンコ屋をやる人にとっては良い環境かもしれませんが、パチンコをやらずに子供を持つ人からすると良い環境とはいえないと思います。

絶対高さ制限

「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」「田園住居地域」の3つに関しては10mまたは12mの建物しか建てることができません。3階建てであればぎりぎり建築可能かもしれませんが、それ以上の建物であったり、3階建てでも天井を高くしたいという場合には規制がかかります。

隣地斜線制限

「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」「田園住居地域」の3つ以外については建物の高さが20m以上になると関係する制限なので、一般住宅ではまず関係ありません。

北側斜線制限

これは北側にある隣地の日照環境の保護のためにできた建築基準法で定められた建物の高さの制限となります。

低層住居専用地域や中高層住居専用地域、田園住居地域に適用されます。

低層住居専用地域及び田園住居地域の場合は隣地境界線から建物までの真北方向の水平距離に1.25mをかけて5mを足したものになります。

中高層住居専用地域では5mではなく10mを足したものになります。

このため、前者であれば隣地境界線から1mの場所に建物をたてるとすると6.25mの高さまでしかたてることができません。

そのため、10mまでフルで建てたいと思う時は隣地境界線から4mの距離をとる必要があるため北側に駐車場を作るか庭を作るか、または北側だけ建物を低くする必要があります。

道路斜線制限

敷地の周囲にある道路から発生する斜線による制限です。

簡単な計算でいえば道路の反対側の境界から建物までの距離に1.25または1.5をかけたものになります。

商業系・工業系の土地の場合は後者に、それ以外は前者になります。

例えば道路の幅が歩道を含めて6mあれば道路ギリギリに立てたとしても7.25mの高さまでは建築可能となります。

建ぺい率

建ぺい率とは、土地全体を100%として何%まで建物を建てていいかという指標です。一般的に30~80%の範囲で決まります。

例えば130㎡(約40坪)の土地であれば、建ぺい率50%となれば75㎡(約20坪)の土地部分は建物に、残りの部分は駐車場や庭として使用することになります。

そのため「大きな家」に住みたい!と考えたときに100㎡(約30坪)と200㎡(約60坪)の土地を単純に比較するだけではどちらが大きい建物が建てられるかがわかりません。

例えば200㎡(約60坪)の土地の建ぺい率が30%であれば60㎡(約18坪)分が建物になる一方で、100㎡(約30坪)の土地の建ぺい率が80%であれば80㎡(約24坪)分が建物にできることになります。

そのためその土地の建ぺい率がどれくらいかというのも重要なポイントになるのです。

容積率

建ぺい率と同様に重要なものとしてこの容積率があります。

これはその土地全体を100%として、建物の延べ床面積をどれくらいまでなら立てても良いよという指標になります。一般的に50~1300%の範囲となります。

例えば130㎡(約40坪)の土地であれば、容積率が100%となれば延べ床面積が130㎡(約40坪)まで可能です。

そのため、建ぺい率同様に土地の広さだけでは大きな家が建てられるかはわかりません。

例えば先ほどの200㎡(約60坪)の土地と100㎡(約30坪)の土地で考えてみましょう。

200㎡(約60坪)の土地の建ぺい率が30%・容積率が200%であれば60㎡(約18坪)分が建物になりますが延床は400㎡(約120坪)。

一方で、100㎡(約30坪)の土地の建ぺい率が80%・容積率が100%であれば80㎡(約24坪)分が建物になりますが延床は100㎡(約30坪)となります。

これをみると前者の方がはるかに大きな建物になりそうですが、低層住居専用地域の場合で絶対高さ制限があれば10mの高さ、つまり3階までしか建てられないためどんなに大きくしても1階部分が60㎡であれば180㎡(約54坪)が限界です。(そもそもこの建ぺい率でこの容積率の低層住居専用地域の土地はないと思いますが・・・)

さいごに

今回は住宅用の土地として知っておきたい建築制限についてまとめてみました。

だれか一人にでもお役に立てれば幸いです。

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