今回は日本の映画の「億男」をご紹介させていただきます。
基本的にはネタバレを含まないようにしますが、個人的感想ではネタバレを含んでいるのでまだ見ていない方は見ないでください。
現在Amazonプライムビデオでみられるのでよかったら!
あらすじ
兄の借金の保証人になり昼間は図書館司書、夜はパン工場で働き妻子とは別居をしている主人公一男。ある日娘と二人で街をぶらついている町内会の福引が行われていました。通りすがりの老婆に福引券をもらい、娘の欲しがる自転車を狙いますが、当たったのは宝くじ券。しかし、その宝くじが3億円に化け、一夜にして億万長者になってしまう。
そんな大金をどう使えばいいかわからない一男は大学の親友の九十九(つくも)に相談をする。彼はITで一発あてお金持ちになっていた。しかし、それが運の尽き。九十九にお金を持ち逃げされてしまう。九十九をさがすために伝手を使って彼を探すことになり・・・。
タイトルの意味
億男の意味はもちろん3億円を手に入れての億万長者になったことから由来します。
実は作中で「億男」になるのは1度だけではないんです。まぁ二回目も幻ではあるのですが・・・。
作品について
億男は映画プロデューサーで小説家の川村元気さんによる長編小説をもとにした映画です。
2014年に発表され、2015年の本屋大賞第10位入賞作になりました。
2018年に映画化され、主人公の一男に佐藤健、九十九に高橋一生が起用されています。
他にも藤原竜也や沢尻エリカなどがわきを固める作品です。
個人的感想と見どころ
ここからは盛大にネタバレがあるためまだ見てない人は読まないでください。
冒頭のシーン
冒頭では日本ではない風景が映し出されます。
一瞬「えっ、映画間違えたか?」
と思いますが、ちゃんとタイトルは「億男」。
まさかそのシーンが今後の展開に何回も関係するとは思いませんでした。
LINEの登録
あきらからパーティー中に突然携帯を取り上げられ指紋認証で解除させられます。そしてなぞのLINE登録。
なんかいけない関係でも??と思いましたが、最後まで見ていくとこれはもしかして九十九の指示だったのでしょうか。
唯一の手掛かりになる女とし、今後の行動を制限して百瀬につなげるために・・。
と思っていますが多分それでいいのかなと。原作を読んではいないので違う理由があるかもしれませんが。
ただ、指示でなければあとのシーンで一男の登録名を『「雑魚」 大倉一男』としておりLINE交換した意味がなさそうです。わざわざ「雑魚」と思っている人と交換はしないでしょう。
北村一輝の演じる百瀬
元「バイカム」の最高技術責任者である彼はバイカム売却後に3つ会社を経営します。
競馬場であった彼は羽振りの良い感じですが、100万円を渡して一男に馬券を買わせて見事万馬券に!しかしその後のレースではずし一男は一文無しに。
ただ、そもそも100万円で馬券など買っていないことがあとから発覚します。
そう、万馬券をあてて億万長者になり馬券を外して一文無しになったのではなく、もとからずっと一文無しのままだったのです。
「金ってなんやの?さっき自分の頭の中でいったりきたりしたもんや。あれが金の正体や」と百瀬はいいました。
ありもしないお金で一喜一憂をさせられる。お金に振り回されるというのはこういうことかもしれません。
これは株をやっている人にも通じるものがありそうです。
株価が上がり喜び、すぐに下がって憂い、現実でお金が移動はしていないのに株価という数字の変化に振り回されることに。
新NISAではじめた自分としては考えさせられるものです。
藤原竜也の演じる千住
こういう役をやらせると本当にうまいなと思います。
カイジのイメージが強い藤原さんですが(自分はデスノートの夜神月のイメージが大きいですが)、ちょっと普通の人離れした人を演じるとすごいはまるなぁと思います。
というより藤原さんが演じると人離れする??
千住は「バイカム」を売却したのちにマネーアドバイザーをしている彼。
映画の内容的にはもう宗教です。
「お金の概念からの解放」をうたいながら、自分は会員の捨てたお金を回収。
「願い叶います」というだけで特に何をするわけでもないようにうつります。
お金に固執するのは確かによくないこと。そのせいで詐欺にもあってしまう。
信者のようになってしまうのもまたお金に振りまわされた人の末路という印象を受けました。
「人類はみんなこいつ(お金)を崇める宗教に入ってしまう。生まれながらね」と千住はいいましたが、まさにそうなのかもしれません。
沢尻エリカの演じる安田十和子
映画版では最後に会いに行ったのが彼女でした。
「バイカム」売却後は普通の男性と結婚し公営住宅でつつましく暮らしている。という見た目ですが、とんでもない人でした。
襖や壁、床のいたるところにお金を隠し持ち、物理的にお金に囲われた生活をしている。一番ヤバイ人という印象。
ある意味狂気さえも感じてしまう彼女もまたお金にとりつかれているのでしょう。
芝浜
この映画は古典落語の一つである芝浜になぞらえて作られています。
九十九の得意演目でもあります。
内容はWikipediaの「芝浜」で確認いただければと思います。
この演目もまた大金を思わぬ形で手に入れるお話。そしてそのお金は翌日忽然と消えてしまいます。その後3年心を入れ替えて働き詰め店をだすようになったときに女房からなくなったお金の行方を聞かされ、お金が手元に戻ってくるという内容。
今回の映画と同じ。
九十九はあえてお金を一時的に奪うことで、一男にお金についてむきあってほしかったよう。
まぁ、自分なら間違いなく警察に通報するでしょうけどね!
そこは100点コンビの中というところでしょうか。
さいごに
今回は『億男』について記事を記載させていただきました。
アマプラでもみることができるためよければご視聴ください。
また、原作の小説やDVDは下記から購入もできます。
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