焼酎の歴史と製法、甲類と乙類について

今回はネタに困った時のお酒シリーズになります。

蒸留酒の一つである焼酎について今回は取り扱っていきたいと思います。

  • 焼酎っていつからあるの?
  • どうやって作っているの?
  • 甲類と乙類って何が違うの?

といった疑問にお答えできればと思っています。

焼酎の歴史

焼酎の起源は正確にはわかっていないようです。

文献で確認できる限りでは、16世紀に焼酎が作られていたようです。これは、1546年に上陸したポルトガル商人が常飲していたことが記録に残っているようです。

日本国内に残存する最古の文章としては、鹿児島県伊佐市の郡山八幡神社の補修工事の際に大工が残した「けちな座主で、一度も焼酎をふるまってくれず、がっかりした」という内容の落書きが発見されています。この補修工事は1559年に行われています。

17世紀後半以降はいくつもの書物に焼酎の製造法が記されており、酒粕を蒸留してアルコールを抽出する粕取焼酎や、醪を発酵させ蒸留した醪取焼酎がつくらました。

18世紀以降から明治時代中期に至るまで単式蒸留器がメインであり、焼酎乙類いに限られていましたが、明治28年に連続式蒸溜機が輸入され、安価にそして大量に生産されるようになりました。

明治43年に連続式蒸溜器で作られた製品を任意アルコール度数に和水したものを焼酎とすることが認められました。

焼酎の定義

酒税法では、焼酎を次のように定義しています。

アルコール含有物を蒸留した酒類のうち、
A 連続式蒸留機で蒸留したもので、アルコール分36度未満、
B 連続式蒸留機以外で蒸留したもので、アルコール分45度以下
のもので、ウイスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、ジンなどに該当しないものをいいます。

また、A に該当するものを連続式蒸留焼酎、B に該当するものを単式蒸留焼酎に区分しています。

ウィスキーとの区別として、発芽した穀類を使用していないこと。

ブランデーとの区別として、果実を使用していないこと。(なつめやしの実を除く。)

ウォッカとの区別として、白樺の炭などで濾過していない。

ラムとの区別として、砂糖や糖蜜などを使用していない。(黒糖焼酎を除く)

ジンとの区別として蒸留の際に発生するアルコールに他の物品の成分を浸出させていない。

という条件があります。

焼酎の作り方

麹造り

米や小麦などを蒸します。

そこに麹菌をまぶし繁殖させます。(製麹)

製麹

製麹は次の工程を経て作られます。

引き込み

蒸した蒸米の温度が35~40度になるまで覚まし、麹室に運ぶ。

蒸米の温度が均等になるよう台や床に広げた布の上に広げ、上から布を重ねる。

床もみ

蒸米を広げ、2~3時間程度で蒸米の温度や水分が均一になった後に麹菌を全体にまんべんなくまぶしよく混ぜて布をかける。

切り返し

床もみ後10~12時間立ち、蒸米の表面が乾燥しくっつき合い塊になる。菌の増殖にしたがい高温になることで菌の増殖がとまるため、蒸米の塊をほぐすことで水分や温度を均一にする。酸素がいきわたるように再び布をかけ麹菌を繁殖させる。

盛り

切り返し後10~12時間たち、蒸米の白い斑点状の麹菌が繁殖する。同時に麹菌は33度程度に上昇する。固まった蒸米を再びほぐし30g程度を小箱に入れることで温度や麹菌増殖を調節する。

仲仕事

守から7~12時間経ち、34~36℃までに蒸米が上昇。蒸米をほぐし、温度を下げ、6~7㎝程度の厚さに整える。

仕舞仕事

6~7時間程度たち、蒸米の温度が37~40℃に上昇し固まるため再びほぐし温度上昇を抑える。

出麹

蒸米を麹室からだし、温度を下げるこtで麹菌の働きを止め、十分に乾燥させ雑菌の繁殖を抑える。

一時仕込み

麹と水・酵母を混ぜ合わせ5~7日間発酵させ、一時醪ができます。

二次仕込み

一時醪と水、原材料を加え7~14日じっくり発酵させる。

醪の温度を下げ均一な状態にするために櫂入れを定期的に行う。

原材料のでんぷんが糖化することでアルコール発酵が促進し、度数は14~15%程度になる。

蒸留

単式蒸留または連続式蒸留を行う。

貯蔵・熟成

蒸留したばかりの焼酎はガスのにおいが残るため1~3か月熟成させることで焼酎の香りが落ち着く。

3~6カ月熟成させることを初期熟成。

3年未満で熟成させることを中期熟成。

3年以上で熟成させることを長期熟成。

調合・割水

熟成させた原酒を他のタンクの焼酎と混ぜブレンドすることを調合と言う。

アルコール度を調整するために水を加えることを割水という。

濾過

蒸留後に残る油分や不純物を取り除き酒質を安定させる。

一部焼酎では原酒に含まれるうまみ成分であるフーゼル油を残すため濾過しないで無濾過として商品化している。

瓶詰

一升瓶からワンカップや小瓶などまで様々なサイズに詰められ出荷される。

甲類・乙類

焼酎には甲類と乙類、そして混和があります。

混和は甲類と乙類を混ぜたものになります。

甲類

連続式蒸溜機で作られるもので、アルコールの度数が36%未満のもの。

無色透明で癖がないことが特徴。そのため、ジュースや炭酸飲料で割り、サワーやチューハイとして飲まれることも。

乙類

単式蒸留器で作られ、アルコール度数が45%以下のもの。

原料の風味や味わいが生きる本格的な焼酎。そのための見方はストレートやロック、水割り・お湯割りが定番となる。

焼酎の原料

穀類またはイモ類は勿論ですが、他に国税庁長官の指定する物品を原料として発酵させたものがあります。

国税庁長官の指定する物品としては次のものになります。

あしたば、あずき、あまちゃづる、アロエ、ウーロン茶、梅の種、えのきたけ、おたねにんじん、かぼちゃ、牛乳、ぎんなん、くず粉、くまざさ、くり、グリーンピース、こならの実、ごま、こんぶ、サフラン、サボテン、しいたけ、しそ、大根、脱脂粉乳、たまねぎ、つのまた、つるつる、とちのきの実、トマト、なつめやしの実、にんじん、ねぎ、のり、ピーマン、ひしの実、ひまわりの種、ふきのとう、べにばな、ホエイパウダー、ほていあおい、またたび、抹茶、まてばしいの実、ゆりね、よもぎ、落花生、緑茶、れんこん、わかめ

驚きなのはえのきたけやダイコンなどもあるということ。

これを原料に・・・。

主な焼酎

麦焼酎

焼酎の中でも癖が少ないため飲みやすいといわれている。

原材料は大麦。

芋焼酎

癖が強く、独特の風味や香りがある。

原材料はサツマイモ。

米焼酎

甘みとコクが口に広がり、日本酒に似たフルーティーさがある。

原材料は米。

そば焼酎

すっきりした味わいの中にコクと香ばしい香りがある。

原材料はダッタンソバ(+米)。

黒糖焼酎

焼酎独特の臭みがなく、ほのかな甘い香りがあり比較的飲みやすい。

原材料は黒砂糖。

さいごに

今回はお酒シリーズで焼酎についてかかせていただきました。

個人的には愛媛の里イモ焼酎の「やまじごろし」がおいしかったなぁという印象

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