短編映画『つみきのいえ』のすすめ、アカデミー短編アニメ賞映画のあらすじと作品紹介

本・映画

今回は前回と同様に短編映画のおすすめです。

忙しいあなたもこの映画なら隙間時間に見れるはず!

あらすじ

妻を亡くしたおじいさんが住んでいる部屋のシーンからはじまります。その部屋は亡き妻との思い出の写真が飾られた小さな部屋。床の蓋を開けると海につながっています。そう、おじいさんが住んでいるのは海の上の家。いえ、正確には海に沈みつつある家でした。一人寂しく釣った魚とワインをのみ暮らしているおじいさん。ある日目が覚めると床が浸水していました。海面がまた上がってきたのです。物売りの船で材料を購入し家をさらに高くしていきます。周りには沈み切ってしまった家。雨にも負けず風にも負けず家を高く積み上げていきます。そんなか、愛用していたパイプを床の蓋に落としてしまいます。物売りの船で新しいパイプを探そうとしましたがいいものがなく、潜水服を購入しパイプを取りに行くことにしました。そしてそこで見たものは・・・。

タイトルの意味

この作品は海面が上昇していき沈みゆく家を舞台にしています。

沈みゆく家の対策としてその都度家を上へ上へと増築していきました。

結果、家はブロックを積み上げたような家になっていきます。

時間をかけてゆっくりと上昇していく海面。

その都度建て増しすることでその階その階での過ごした思い出が積もっていきます。

作品紹介

こちらのアニメーション映画ですが、2008年に発表された作品です。

アヌシー国際アニメーション映画祭では短編作品に与えられる「アヌシー・クリスタル賞」(最高賞グランプリ)を獲得。

そして、日本映画で初となる「アカデミー短編アニメ賞」を受賞した作品になります。

現在Amazonプライムで見ることができます。

監督は?

この作品の監督は加藤久仁生さんという方。

映像制作会社のROBOTに入社し、テレビ番組やWebアニメーション、スポットCMなどのアニメーション作品を手がけました。

2008年の「つみきのいえ」で前述のように賞を受賞し、一躍有名となりました。

その後2017年春にROBOTを退社し独立。NHKの「みんなのうた」のアニメーションをなどを担当しています。

個人的感想

ここからは盛大にネタバレがあるためまだ見てない人は読まないでください。

何階建ての家?

8分30秒ごろをみると一番下の階から外に出て家を見上げる描写があります。

9階建ての家のようにみえますが、水中に入っている部分しか見えていないとすれば、追加で建てた1階があるので合計で10階建ての家ということになります。

ただ、一番上の9階はやや見えにくい印象。もしかしたら水中なのは8階までかもしれません。

現に、上から順に部屋を振り返ると

9F:新しくつくった部屋

8F:最初にでてきた部屋

7F:パイプが落ちていた部屋でおばあさんの思い出を思い返した部屋

6F:おばあさんがベッドで寝ている部屋

5F:家族の集合写真を撮った部屋

4F:子供が彼氏を連れてきた部屋

3F:子供が成長し船で通学していた部屋

2F:子供が生まれつみきをしていた部屋

1F:二人で最初に立てた部屋(家)

となるためやはり9階伊達だったようです。

いつから海があがりだしたのか

本編をみると元々家の建っている場所は草原でした。そこに奥さんと二人でレンガ造りの家を建てている描写があります。

また、二階の部分はもともとの家の上に複数の部屋を増築する形で建っています。ふつうであれば柱を増やしたとしても1階が1部屋なのに2階が少なくとも4部屋にして増築するでしょうか。

おそらくもうすでにこの時には海面が上昇してきていたのでしょう。

そう考えるとかなりの年月をかけて海面が上昇してきていそうです。

なぜそこに住み続けるのか

周りを見渡しても陸地らしきものもないため仕方なく住んでいるという可能性も否定はできませんが、おそらくそこに思い出の詰まった家があるからというのが理由でしょうか。

海に沈んでしまったといっても今建っている部屋の下には今までの長年の思い出があります。

妻と過ごした日々や子供が大きくなっていく成長過程、そして孫も来ていた家。

そんな思いが詰まっているのでしょう。

ところで娘家族はどうしたのでしょうか。やはり他に安全に住める場所があってそこに移り住んだんでしょうか。

電気ってどこから・・・

この作品の唯一(?)の突っ込みどころというか単純な疑問として、「テレビや電灯はどうやって電気を通しているの?」という問題。

増築するたびに電気工事をしているようには見えないし、ソーラーパネルもなし。海水から電気を作っているということも考えたけどさすがにそんな装置もなさそう・・・。謎である。

乾杯のシーン

最後のシーンでテレビは点いておらず、静かなシーンとなっていました。

やはり亡き妻を思い返して二人だけの時間がよかったのかなとも。

最後ワインをそそぎ、乾杯をしたときの「チーン」という音で物語が終わるのもおしゃれだなと思いました。

さいごに

今回は短編アニメーションの「つみきのいえ」について記事を作ってみました。

ぜひ皆さんも一度見てもらえればなと思います。

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