今回は金融・経済について勉強した範囲のものをまとめておきます。
メモ書き程度ですがよければ参考にしてください。
金融・経済の基本
主な経済・景気の指標
景気の良し悪しを判断するための指標には次のようなものがあります。
国内総生産(GDP)
国内の経済活動によって新たに生み出された財・サービスの付加価値の合計で、内閣府が年4回発表する。
経済活動は、「生産→分配→支出」という流れを繰り返します。
生産・分配・支出は同一の価値の流れを異なる面からみただけにすぎないので、「生産=分配=支出」となる。これを三面等価の原則という。
経済成長率
一国の経済規模の一年間における成長率。
GDPの伸び率をさす。
景気動向指数
景気の状況を総合的にみるために複数の指標を統合した景気指標。
内閣府が毎月発表する。
景気に先行して動く先行指数、ほぼ一致して動く一致指数、遅れて動く遅行指数がある。
景気動向の判断には一致指数が使われる。
先行指数
- 新規求人数:求人が増えるということは景気が良くなる見込み
- 新設住宅着工床面積:新設住宅が増えるということは景気が良くなる見込み
- 実質機械受注:これから製品をたくさん作るから機械受注が増えるということは景気が良くなる見込み
など
一致指数
- 鉱工業生産指数:今生産しているので今の景気を指す
- 有効求人倍率:いまの求職者1人当たりの求人数で今の景気を表す
など
遅行指数
- 法人税収入:景気が良くなったから物が売れ、企業の収益が増えるため税も増える
- 家計消費支出:景気が良くなったから企業の収益が増え、給料が増えて消費者が物を買うため増える
- 完全失業率:景気がよくなったため企業が人を雇い失業率が減る
など
景気動向指数にはCIとDIがあり、現在はCIが中心。
CI(コンポジット・インデックス):景気変動のテンポや大きさを把握するための指標。一致指数が上昇している時は景気の拡張局面。
DI(ディフュージョン・インデックス):景気変動の各経済部門への波及度合いを表す指標。
日銀短観(全国企業短期経済観測調査)
日本銀行が年4回、上場企業や中小企業に対して現状と3カ月後の景気動向に関する調査を行い集計したもの。
注目されるのは業況判断DI。
現状よりも3か月後の業況が良いと答えた企業の割合から悪いと答えた企業の割合を引いた数値。
マネーストック統計
個人や法人、地方公共団体などが保有する通貨の総量。
国や金融機関が保有する通貨は含まない。
日本銀行が毎月発表する。
物価指数
ある分野についての総合的な物価水準を指数によってあらわしたもの。
企業物価指数と消費者物価指数がある。
企業物価指数
企業間で取引される商品の価格変動を指す指標。
原油価格や為替相場の変動の影響を受けるため、消費者物価指数より変動する。
日本銀行が毎月発表する。
消費者物価指数
全国の一般消費者が購入する商品やサービスの価格変動を表す指標。
総務省が毎月発表する。
景気とその影響
景気は「不景気」→「景気拡大」→「好景気」→「景気下降」→「不景気」というサイクルで動く。
物価が継続的に上昇し、貨幣価値が下がった状態をインフレといい、その逆をデフレという。
景気・金利・物価・為替・株価はそれぞれ関連して動く。
景気と金利
景気が良くなると、モノを買うためにお金を借りる人が増えるため金利は上昇します。
逆に景気が悪くなるとお金を借りる人が減るため金利が下がります。
物価と金利
物価上昇になると物を買うためにお金を必要になるため金利は上昇します。
逆に物価低下になると金利も低下します。
為替と金利
円高になると、輸入製品の価格が下がるため、物価が下がり結果として金利は低下します。
逆に円安になると輸入製品の価格が上がるため物価が上昇し、金利は上昇します。
内外金利差と為替
日本の金利が一定の時、アメリカの金利が上昇するとアメリカに預金しようと円が売られドルが買われます。結果円安ドル高になります。
逆に日本の金利が上昇すると、円が買われドルが売られるため円高ドル安となります。
景気と株価
景気が良くなると、企業の業績が良くなるので株価は上昇する。
景気が悪くなると、企業の業績が悪くなるので株価は下落する。
金融の基本
金融市場
お金の貸し借りをしている場所。
取引期間が1年未満の短期金融市場と1年以上の長期金融市場がある。
短期金融市場には、金融機関のみ参加でき手形市場やコール市場などがあるインターバンク市場と、一般企業も参加できるオープン市場がある。
長期金融市場としては証券市場がある。
新初10年国債利回り
新規に発行された、償還期間が10年の国債の流通回りのこと。
長期金利の指標として利用され、住宅ローン金利や企業の長期資金借入利率の基準になる。
金融政策
物価の安定などを目的として、日本銀行が行う政策をいう。
主に次の2つがある。
公開市場操作
日本銀行が短期金融市場において、手形や国債の売買を行い、資金量を調整すること。
景気上昇期は資金需要を抑えるために「売りオペレーション」になり、日銀が保有する債券などを金融機関に売り市場に出回る資金の量を減らす。市場にお金が減るため金利が上昇する。
景気後退期は景気の悪化を押さえるために「買いオペレーション」になり、日銀が債券を買い取り資金を支払うことで市場に出回る資金量を増やす。市場にお金が出回るため金利が下がる。
預金準備率操作
金融機関は準備預金として一定の割合の預金を日銀に預けることが義務とされる。この一定割合を預金準備率という。
預金準備率を引き上げたり、下げたりすることで金融市場の資金量を調整することを預金準備率操作という。
財政政策
国や地方公共団体が行う政策で、公共投資や減税がある。
国や地方公共団体が行う経済活動を財政という。資源配分や所得再分配、経済の安定化の3つの機能がある。
セーフティーネットと関連法規
預金保険制度
金融機関が破綻した場合に預金者を保護する制度で、金融商品におけるセーフティーネットとして代表的なもの。
日本国内に本店がある銀行や信用金庫、信用組合など金融機関への預金が保護の対象となる。
上記に預けていても対象とならないものは、外貨預金や譲渡性預金などとなる。
また、決済用預金(利息の付かない普通預金、当座預金など)については全額保護となるが、それ以外の預金(利息のつく普通預金、定期預金など)は1金融機関ごとに預金者1人あたり元本1000万円までとその利息が保護される。
日本投資者保護基金
証券会社は投資家から預かった金融資産を証券会社の資産とは別に管理することが義務となる。これを分別管理義務という。
証券会社が破綻したとしても、投資家は証券会社に預けている金融資産を返してもらうことができる。
もし分別管理を行っていなかった場合、投資家が損失を被ってしまうため日本投資者保護基金から1人あたり最大1,000万円まで補償される。
証券会社は日本投資者保護基金に加入が義務付けられている。
しかし、銀行で購入した投資信託や外国為替証拠金取引の証拠金は補償の対象とならない。
金融サービス提供法
金融サービスの提供について顧客を保護するための法律。
金融商品販売業者は金融商品を販売するさいに重要事項について説明をする義務が課される。
もし説明業務を怠った場合に顧客が損害を被った場合は金融商品販売業者に損害賠償責任が発生する。
消費者契約法
消費者保護する法律。ただし、個人のみになる。
事業者による不適切行為で消費者が誤認や困惑して契約をした場合それを取り消すことができる。
※金融サービス提供法と消費者契約法の両方に抵触する場合、両方の規定が適用される。
金融商品取引法
金融商品の取引について投資家などを保護するための法律。
投資の知識や経験などから、投資家を特定投資家と一般投資家に分けて規制する。
金融商品取引業者が守るべきルールが次のように定められている。
適合性の原則 | 顧客の知識、経験、財産の状況および契約を締結する目的に照らして不適切と認められる勧誘を行ってはならない。 |
断定的判断の提供の禁止 | 利益が生じることが確実であると誤認させるような断定的判断を提供してはならない。 |
広告などの規制 | 金融商品取引業者が広告などをするときは、一定の表示を行わなければならず誇大広告をしてはならない。 |
契約締結前の書面交付義務 | 契約の概要や手数料、リスクなどについて、契約締結前交付書面(取引説明書)を交付して説明しなければならない。 |
損失補填の禁止 | 顧客に損失が生じた場合に、業者がその損失を補填することは禁止されている。 |
金融ADR制度という金融機関と利用者との間で生じたトラブルを、業界ごとに設置した指定紛争解決機関において裁判外の方法で解決を図る制度がある。これは中立・公正な専門家が和解案を提示し解決に努め、利用手数料は原則無料である。
指定紛争解決機関は全国銀行協会、生命保険協会、日本損害保険協会、保険オンブズマン、証券・」金融商品斡旋相談センターなどが指定されている。
さいごに
今回の記事は右の教科書を参照して作られています。より詳しい図説なども載っているのでご購入することをお勧めします。下記の画像をクリックするとAmazonのページへ移動するようになっています。
また、1級・2級の教科書も販売されています。
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