今回は課税標準の計算の分野と所得の控除について勉強した範囲を記載しておきます。
メモ書き程度ですがよければ参考にしてください。
課税標準の計算
課税標準は税金の課税対象となる所得の合計額をいう。
10種類の各所得を一定のものを除いて合算する。
まず損益通算を行い、合計所得金額をだし、損失の繰り越し控除を行っていく。
損益通算
損失と利益を相殺することをいう。
損失の中には損益通算ができるものとできないものがある。
損益通算できる損失
不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得で生じた損失に関しては損益通算ができる。
ただし、不動産所得の中でも土地を取得するための借入金の利子や、生活に通常必要ではない資産(別荘や30万円以上の宝石、クルーザー、ゴルフ会員権など)の譲渡損失・株式などの譲渡損失は損益通算できない。
※上場株式の譲渡損失は、申告分離課税を選択した上場株式などの配当所得と損益通算できる。
損失の繰り越し控除
純損失の繰越控除と雑損失の繰越控除の二つがある。
純損失の繰越控除
損益通算をしても控除しきれなかった損失額を純損失いい、青色申告者の場合翌年以後3年にわたって繰り越し、各年の黒字所得から控除ができる。
雑損失の繰越控除
災害や盗難などによって損失が生じた場合、その損失を所得から控除することができ、雑損控除いう。
それでも控除しきれなかった雑損失は翌年以後3年間繰り越すことができる。
所得控除
所得控除とは税金を計算するときに所得から控除可能なものをいう。
人的控除と物的控除の二つがある。
・人的控除:納税者地震や家族の事情を考慮した控除
基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、障がい者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除がある。
・物的控除:社会政策上の理由による控除
社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、医療費控除、寄付金控除、雑損控除
基礎控除
納税者本人の合計所得金額が2500万円以下であれば条件なく適用できる。
控除額については納税者本人の合計所得金額に応じて変わる。
- 2400万円以下・・・・・・・・48万円控除
- 2400万~2450万円以下 ・・・32万円控除
- 2450万~2500万円以下 ・・・16万円控除
- 2500万円以上・・・・・・・・適用なし
配偶者控除
控除対象配偶者がいる場合に適用。
納税者本人の合計所得金額が1000万円を超える場合には適用できない。
控除対象配偶者要件
- 民法に規定する配偶者。
- 納税者本人と生計を一にしている。
- 配偶者の合計所得金額が48万円以下。(年収103万円以下)
- 青色事業専従者や白色事業専従者でない。
納税者本人の合計所得金額 | 控除額 | 控除額 |
---|---|---|
控除対象配偶者 | 老人控除対象配偶者 (70歳以上の控除対象配偶者) | |
900万円以下 | 38万円 | 48万円 |
900万円超950万円以下 | 26万円 | 32万円 |
950万円超1,000万円以下 | 13万円 | 16万円 |
配偶者特別控除
配偶者控除の対象にならない場合で、配偶者が次の要件を満たす場合適用。
納税者本人の合計所得金額が1000万円を超える場合には適用できない。
控除額は最大38万円(配偶者の合計所得金額が48万円超95万円以下かつ、納税者本人の合計所得金額が900万円以下の場合。)
配偶者特別控除適用要件
- 民法に規定する配偶者。
- 納税者本人と生計を一にしている。
- 配偶者の合計所得金額が48万円超133万円以下。
- 青色事業専従者や白色事業専従者でない。
扶養控除
16歳以上の扶養親族がいる場合に適用。
扶養親族の要件
- 納税者本人と生計を一にする配偶者以外の親族(国外に居住するもので一定の者を除く)。
- その親族の合計所得金額が48万円以下(年収103万円以下)。
- 青色事業専従者や白色事業専従者でない。
控除額は次の通り。
控除対象扶養親族 (16歳以上):38万円
特定扶養親族(19歳以上23歳未満):63万円
老人扶養親族(70歳以上) :同居老親などは58万円、それ以外は48万円
※23歳以上70歳未満は控除対象扶養親族。
障害者控除
納税者本人が障がい者である場合や同一生計配偶者または扶養親族が障害者である場合に適用。
控除額は一般障害者が27万円、特別障害者が40万円、同居特別障害者が75万円。
寡婦控除
納税者本人が寡婦である場合に適用。
寡婦の要件
合計所得金額が500万円以下かつ次のいずれかに該当。
①夫と死別後再婚していない
②夫と離婚後、再婚しておらず、扶養親族を有する者
控除額は27万円。
ひとり親控除
納税者本人がひとり親である場合に適用することができる。
ひとり親の要件
合計所得が500万円以下かつ次のすべてに該当する者
①現在婚姻していないもので一定の者
②総所得金額などの合計額が48万円以下の子があること
控除額は35万円。
勤労学生控除
納税者本人が勤労学生、合計所得金額が75万円以下である場合に適用。
控除額は27万円。
社会保険料控除
納税者本人または生計を一にする配偶者、その他の親族にかかる社会保険料を支払った場合に適用。
控除額は全額
生命保険料控除
生命保険料を支払った場合に適用することができる。
一般の生命保険、個人年金保険料、介護医療保険料に区分し各控除額を計算する。
それぞれ最高4万円の控除で計12万円が最高額になる。
地震保険料控除
居住用家屋や生活用動産を保険目的とする地震保険料を支払った場合に適用する。
控除額は全額。
小規模企業共済など掛金控除
小規模企業共済の掛け金や確定拠出年金の掛け金を本人が支払った場合に適用。
控除額は全額。
医療費控除
納税者本人または生計を一にする配偶者その他の親族の医療費を支払った場合に適用。
控除額=支出した医療費の額ー保険金などの額ー10万円
ただし、上限は200万円。
医療費控除を受けるためには、確定申告時に医療費控除の明細書を添付する必要がある。
・医療費控除の対象となるもの
- 医師・歯科医師による診療費・治療費
- 治療または療養に必要な薬代
- 治療のためのマッサージ代、針師・灸師による施術代
- 出産費用
- 通院や入院のための公共の交通費
- 人間ドック、健康診断の費用(ただし、重大な疾病がみつかり治療を行った場合)
・医療費控除の対象とならないもの
- 入院中の洗面具や身の回り品の購入費
- 美容整形の費用
- 病気予防、健康増進などのための医薬品代や健康食品代
- 通院のための自家用車のガソリン代
- 電車やバスで通院できるにも関わらず、タクシーで通院した場合のタクシー代
- 自己都合の差額ベッド代
- 近視や乱視のための眼鏡代やコンタクトレンズ代
- 人間ドック・健康診断の費用(病気がなかったとき、または治療を行っていない場合)
セルフメディケーション税制
健康の維持増進および疾病の予防を目的とした一定の取り組みを行う個人が、2017年1月1日から2026年12月31日の間で、本人・生計を一にする配偶者・そのほかの親族にかかる一定の巣一定OTC医薬品などの購入費を支払った場合で、その年中に支払った金額が12,000円を超えると、超過部分の金額で上限88,000円までで総所得金額から控除できる、医療費控除の特例。
これを受ける場合には通常の医療費控除を受けられない。
寄付金控除
特定寄付金を支払った場合に適用。
控除額は支出寄付金ー2000円
ふるさと納税
任意の自治体に寄付すると、控除上限額内の2,000円を超える部分について所得税と住民税から控除を受けえることができる制度。
返礼品の返戻割合が3割以下であうこと、返礼品を地場産品とすることなどの条件がある。
年間の寄付先が5自治体までなら確定申告なしで寄付金控除を受けられるワンストップ特例制度がある。
さいごに
今回は課税標準の計算と所得控除についてを簡単に書き出しました。
今回の記事は下の教科書を参照して作られています。より詳しい図説なども載っているのでご購入することをお勧めします。下記の画像をクリックするとAmazonのページへ移動するようになっています。
また、1級・2級の教科書も販売されています。
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