今回は贈与税と財産評価などについて勉強した内容をせっせとメモしていきます。
メモ書き程度ですがよければ参考にしてください。
贈与税
贈与とは生存している個人が別の個人に財産をわたす契約をいう。
贈与契約は口頭でも書面でも有効となるが、口頭の場合は各当事者が解除することが可能。しかし、履行終了した部分は解除できない。
贈与形態は次の4つがある。
- 通常の贈与:贈与の都度贈与契約を結ぶ
- 定期贈与 :定期的に一定の財産を贈与する
- 負担付贈与:贈与を受ける側に一定の義務を負わせる贈与
- 死因贈与 :贈与者の死亡によって実現する贈与 ※贈与税ではなく相続税の課税対象
贈与税は個人からの贈与により財産を取得した人に課される。
贈与税の計算
1年間に贈与された財産の合計額をもとに計算する。
課税価格から110万円(基礎控除)を引いた額に税率をかけて計算されるが、そもそも課税価格は「本来の贈与財産」と「みなし贈与財産」から「非課税財産」をひいた値になる。
本来の贈与財産
贈与によって取得した財産で、金銭で換算できる経済的価値のある財産をさす。
みなし贈与財産
本来は贈与財産ではないが、贈与を受けたのと同じ効果がある財産を指す。
例えば次のようなものがある。
- 生命保険金など:保険料の負担者でない人が受け取った生命保険の保険金
- 低額譲受:時価に比べて著しく低い価額で財産を譲り受けた場合の時価と実際に支払った金額との差額
- 債務免除:借金をしている人が、その借金を免除してもらった場合の免除してもらった金額
非課税財産
贈与税の課税対象とならないもの。
- 扶養義務者から受け取った生活費や教育費のうち、通常必要と認められる金額
- 社会通念上必要と認められる祝い金・香典・見舞金
- 法人から贈与された財産(所得税の対象となる)
- 相続開始年に被相続人から受け取った贈与財産(生前贈与加算の対象)
贈与税の基礎控除
年間110万円
贈与税の税率
贈与税の税額は速算表を用いて計算。
暦年課税の場合で、直系尊属から贈与により財産取得した受贈者は特例税率を適用することができる。
贈与税の特例
贈与税の配偶者控除
婚姻期間が20年以上の配偶者から居住用不動産の贈与があった場合、基礎控除とは別に2000万円まで控除される。
ただし、贈与を受けた翌年3月15日までに居住をしなければならない。
相続時精算課税制度
親世代が持っている財産を早めに子世代に移転できるように、贈与時に贈与税を軽減し、贈与分と相続分を合算して相続税を計算する制度をいう。
相続時精算課税制度の特徴
・適用対象者:贈与者が満60歳以上の父母や祖父母、受贈者が万18歳以上の推定相続人である子または孫
・手続き:最初に贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに「相続時精算課税選択届出書」を提出
・贈与財産の合計が2500万円までは非課税
・特別控除前に年間110万円を控除することができる
・非課税枠にを超える分については一律20%の税率
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度
18歳以上の人が直系尊属から一定の住宅を取得するための資金を獲得した場合には一定額が非課税となる。
・適用対象者:贈与者は直系尊属で、受贈者は18歳以上で贈与を受けた年の合計所得金額が2000万円以下のひと
・適用住宅:取得した住宅用家屋の床面積が40㎡以上240㎡以下
※ただし、40㎡以上50㎡未満の場合は合計所得金額が1000蔓延以下の受贈者のみ対象。
・非課税限度額:省エネなどの住宅は1000万円、それ以外のものは500万円まで
・受贈者一人につき一回だけ使える制度
教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
2013年4月1日~2026年3月31日まで、直系尊属が一定の要件を満たす受贈者に対し、教育資金に充てるために金銭贈与し、金融機関に預入した場合には一定額の贈与税が非課税となる。
・適用対象者:受贈者が前年所得1000万円以下かつ30歳未満の子や孫(在学している場合は最長40歳まで)
・非課税となる教育資金
- 学校などに支払われる入学金や授業料その他の金銭
- 学校など以外に支払われる金銭のうち一定のもの(塾や習い事の月謝、ただし23歳に達するまで)
- 通学定期券代
- 留学渡航費
・非課税限度額:限度額は1人につき1500万円(学校以外への支払いは500万円が限度)
・手続き:特例適用を受けようとする旨を記載した非課税申告書を金融機関経由で受贈者の納税地の税務署長に提出。
結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
2025年3月31日までに直系尊属が18歳以上50歳未満の受贈者に対して、結婚や子育て資金にあてるための贈与を金融機関に信託などした場合には一定額の贈与税が非課税になる。
・適用対象者:18歳以上50歳未満かつ前年の合計所得金額が1000万円以下の者
・非課税となる費用:結婚に際して支出する婚礼、住居、引っ越しに要する費用のうち一定のものや、妊娠・出産に要する費用、子の医療費・子の保育料の一定のもの
・非課税限度額:受贈者1人につき1000万円(結婚費用は300万円が限度)
・手続き:受贈者は特例の適用を受けようとする旨を記載した非課税申告書を金融機関を経由し、受贈者の納税地の税務署長に提出。
贈与税の申告と納付
贈与税の申告
贈与税の申告ポイント
・申告書の提出義務者:贈与を受けた人(基礎控除以下の場合は申告不要)
※特例適用の場合は納付税額が0円でも申告が必要。①贈与税の配偶者控除②相続時精算課税制度③直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度
・提出期限:贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日まで
・提出先:受贈者の住所地の所轄税務署長
贈与税の納付
納期限までに金銭一括納付が原則だが、一定要件をみたせば5年以内の延納が可能。
延納の要件
- 金銭一括納付が困難であること
- 納付すべき贈与税額が10万円を超えていること
- 延納申請書を申告書の提出期限までに提出すること
- 担保を提供すること(延納税額が100万円以下かつ延納期間が3年以下の場合は不要)
財産の評価
相続や贈与により取得した財産の価額は原則として時価で評価する。
宅地の評価
宅地は建物の敷地として用いられる土地。
宅地の評価方法
評価単位は一画地ごとに評価する。その評価方法には次の2つがある。
路線価方式
市街地にある宅地の評価方法。
宅地が面する道路ごとに付された1㎡あたりの価額に宅地面積をかけて評価額を計算する方法。
倍率方式
市街地以外で、路線価が定められていない郊外地や農村部などにある宅地の評価方法。
固定資産税評価額に、国税局長が定めた一定割合をかけて宅地評価額を計算する方法。
宅地の評価
宅地は自用地、借地権、貸宅地、貸家建付地に分類され評価。
自用地の評価
自用地は土地の所有者が自分のために使用している土地のこと。
宅地を路線価方式によって評価する場合には路線価に奥行価格補正率をかけて評価額の補正を行う。
評価額=路線価×奥行価格補正率×地積
自用地以外の宅地は自用地の評価額をもとに評価する。
借地権の評価
宅地に借地権が設定されている場合の土地の賃借権
評価額=自用地評価額×借地権割合
貸宅地の評価
貸宅地は借地権が設定されている土地。
評価額=自用地評価額×(1-借地権割合)
貸家建付地の評価
自分の宅地にアパートなどを建てて他人に貸している場合の宅地。
評価額=自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
小規模宅地などの課税価格の計算の特例
被相続人の居住用や事業用であった宅地に高額な相続税を課した場合、被相続人が死亡した後に相続人が居住や事業引継ぎができなくなるため、通常の評価額から一定割合の評価減を受けられる特例。
評価面積と減額割合は次の通り
区分 | 限度面積 | 減額割合 | |
---|---|---|---|
居住用 | 特定居住用宅地等 | 330㎡ | 80% |
事業用 | 特定事業用宅地等 | 400㎡ | 80% |
事業用 | 貸付事業用宅地等 | 200㎡ | 50% |
この特例を利用する場合は、特例を適用した場合の相続税額が0円となる場合でも相続税の申告書の提出が必要。
相続税の実の特例であり、贈与税には特例はない。
特定居住用宅地等と特定事業用宅地等を併用する場合、合計730㎡まで適用可能。
その他の財産の評価
家屋の評価
自用家屋の評価額=固定資産税評価額×1.0
貸家の評価額=固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)
株式の評価
上場株式及び取引相場のない株式の評価は次の通り。
上場株式の評価
次の4つの評価で最も低い金額で評価する。
- 課税時期の最終価格
- 課税時期の属する月の毎日の最終価格の平均
- 課税時期の属する月の前月の毎日の最終価格の平均
- 課税時期の属する月の前々月の毎日の最終価格の平均
取引相場のない株式の評価
類似業種比準方式、純資産価額方式、配当還元方式の3つがある。
類似業種比準方式 (原則的評価方式) | 上場している類似業種企業の株価をもとに、配当や利益、純資産の要素を加味して評価額を決める方法。 |
純資産価額方式 (原則的評価方式) | その会社の純資産額を相続税評価額で評価し、発行済株式数で割り、1株あたりの評価額を決める方法。 |
配当還元方式 (特例的評価方式) | その会社の直前2期間の配当金額をもとに評価額を算定する方法。 |
ゴルフ会員権の評価
評価額=通常の取引価格×70%
生命保険契約に関する権利の評価
評価額=解約返戻金相当額
定期預金の評価額
評価額=預入残高+(既経過利息-源泉徴収税額)
さいごに
今回は贈与税と財産評価を簡単に書き出しました。
今回の記事は下の教科書を参照して作られています。より詳しい図説なども載っているのでご購入することをお勧めします。下記の画像をクリックするとAmazonのページへ移動するようになっています。
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