今回は健康的な食事を考慮するうえで、1日に必要なカロリーの計算の仕方をご紹介。
本来であればカロリーだけでなくもっと細かく栄養素の話が必要ですが、今回はとりあえず「カロリー」に絞ってのお話となりますのであしからず。
- カロリーって必要量はみんな同じじゃないの?
- ダイエットを考えたときにはカロリーはどう計算するの?
- 運動をするからいっぱい食べてもいいですか?
といった人に対して少しでも参考になれば幸いです。
おおまかにみた必要量
上のものは厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の策定検討会報告書から引用をしています。(このあとの表も同じ出典になります。)
「身体活動レベル」においては、注釈がありますが基本的には以下のようなものになります。
身体活動レベル(カテゴリー)
高い :活発に運動をする人
ふつう:自立している人
低い :自宅で生活をしているがほとんど外出をしない人や高齢者施設で自立に近い状態で過ごしている人
ただし、上の表の場合は標準体重である人のエネルギー必要量になります。
そのため、標準よりも痩せていたり、肥満であったりするとこの値は参考にしかなりません。
そこで、次の表ですが、体重1㎏あたりの推定エネルギー必要量になります。
例えば39歳で90㎏であればその体重を維持するのに必要な推定エネルギー量は
39.4×90=3546kcalとなります。(多すぎる)
ちゃんと計算した必要量
18歳以上の成人が1日に必要とするカロリーを計算すると次の式で出すことができます。
必要カロリー=基礎代謝量×身体活動レベル
身体活動レベル
ここでの身体活動レベルは上のカテゴリーではなく。下のような数値となります。
基本的には簡略して覚えるために身体活動レベルのカテゴリーが低い順で、1.50,1.75,2.00で覚えるといいでしょう。(一般の方は覚える必要がありませんが)
基礎代謝量
基礎代謝量は完全に計算式となります。覚える必要はないのでこのページを開きながら計算してもらえればと思います。
男性と女性とで異なります。
男性の場合
(0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢-0.4235)×1,000÷4.186
女性の場合
(0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢-0.9708)×1,000÷4.186
下線を引いたところが変わります。ただし、これは国立健康・栄養研究所の式になります。
栄養学や医学などで使われることがおおいものとしてはおそらくHarris-Benedictの式で次のようになります。
Harris-Benedict
男性
66.4730+13.7516×体重(kg)+5.0033×身長(cm)-6.7550×年齢
女性
655.0955+9.5634×体重(kg)+1.8496×身長(cm)-4.6756×年齢
どちらで計算するかにより多少値が変わってきます
例えば40歳男性で身長180㎝、体重80㎏の場合
国立健康・栄養研究所の式を用いた計算
(0.0481×80+0.0234×180-0.0138×40-0.4235)×1,000÷4.186
≒1692
Harris-Benedictの式を用いた計算
66.4730+13.7516×80+5.0033×180-6.7550×40
≒1796
およそ100程度基礎代謝量が変わってしまいます。他にも2種類の計算式がありますが、日本人でいうと国立健康・栄養研究所の式の方があっているのかもしれません。
基礎代謝から算出した必要エネルギーは
今までのものを「必要カロリー=基礎代謝量×身体活動レベル」に落とし込みます。
先ほどと同じで、40歳男性の身長180㎝、体重80㎏の高運動量の人の場合、
1692×2.00=3384kcalとなります。
減量をしたいときには?
上記の内容はあくまで今の体重を維持するための必要量になります。
減量を考えるときは目標体重で計算をすることで、目標体重での必要カロリーが計算できます。
例えば同じ40歳男性180㎝80㎏の運動量が多い人が70㎏に減量したいと思う場合は、
(0.0481×70+0.0234×180-0.0138×40-0.4235)×1,000÷4.186
≒1577
1577×2.00=3154kcal
一見してあまりかわらないように思えますが、約230kcalを減らすことになります。
脂肪を1か月で1㎏落とすには約300kcal/日の減量を必要とします。
脂肪を1年で10㎏落とすには約246kcal/日の減量を必要とするので、230kcal減量させ続ければ1年で10kgの減量が可能となります。
ではもっとカロリーを落とそうとすると無理な減量になってしまう可能性があるので注意が必要です。
また、今回はあくまでもよく動く人を想定し、身体活動レベルを高く見積もっています。
ご自身の体重などを参考にして計算をしてみてください。
おわりに
今回は推定の必要カロリー数の計算について記事を書きました。
だれかのお役に立てれば幸いです。
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