ライフプランの策定に関する資金計画について今回はまとめていきます。
ライフプランの資金計画は大きく3つ
ライフイベントの中でも特にお金がかかる3大イベントと言えば「教育」「住宅取得」「老後」でした。
3大必要資金の「教育資金」「住宅取得資金」「老後資金」についてそれぞれの資金プランニングをまとめます。
教育資金プランニング
子供の教育にかかる費用の準備の方法には次の3つがあります。
- こども保険(学資保険)
- 教育ローン
- 奨学金制度
それぞれの特徴や内容は次の通りです。
こども保険(学資保険)
一般の生命保険会社や損害保険会社などから販売されています。
(厳密にはこども保険と学資保険は異なりますが、近年はその線引きがあいまいになっています。)
こども保険のポイントとしては次の2点です。
貯蓄機能がある
決まった保険料を払うことで、満期時に満期保険金を取得できたり入学・進学時に祝い金を受け取ることができる。
保証機能がある
契約者(親)が亡くなった場合、保険料の以後の支払いが免除となる。
免除となった場合も満期保険金や祝い金は受け取れる。
契約者死亡後から保険期間終了時まで年金が支払われるタイプもある。
教育ローン
公的ローンと民間ローンがある。
公的ローンの主なものとして教育一般貸付がある。
教育一般貸付のポイントとしては
- 融資限度額:学生1人につき最高350万円。(自宅外通学・5年制以上の大学・大学院・海外留学の場合は450万円)
- 金利 :固定金利
- 返済期間 :最長18年
- 融資元 :日本政策金融公庫
ただし、世帯の年収制限あり。(子の人数が1人なら世帯年収790万、2人なら890万、3人なら990万、と一人増えるごとに100万円上がっていく。ただし、特例措置あり。詳しくは日本政策金融公庫HPへ)
このお金は入学金や授業料のほか、定期代やパソコンの購入費にも利用可能である。
奨学金制度
代表的なものに日本学生支援機構が行う貸与型や、文部科学省による「高等教育の修学支援新制度」の給付型があります。
貸与型
日本学生支援機構の奨学金制度では無利息の第一種奨学金と利息付きの第二種奨学金があります。
利用要件に、親の所得基準があり、第二種奨学金の方が家計の収入・本人の学力の基準が緩くなっています。
給付型
「高等教育の修学支援新制度」は2020年4月より開始され、その概要は下の通りです。
- 支援対象 :大学、短期大学、高等専門学校、専門学校
- 支援内容 :①授業料と入学金の免除または減額、②給付型奨学金の支給
- 支援対象となる学生:世帯収入や資産の要件を満たしており、進学先で学ぶ意欲がある学生
※①は各大学が行い、②は日本学生支援機構が行う。
住宅取得プランニング
自己資金準備方法
住宅の購入時に必要になる自己資金の準備方法として、財形住宅貯蓄があります。
これは企業の従業員が給料から天引きという形で住宅取得や増改築の目的で貯蓄を行うものです。
そのポイントしては下記の通りです。
- 一定の要件を満たせば、財形年金貯蓄と合わせて元利合計が550万円に達するまで利息を非課税で貯蓄可能。
- 利用できるのは、勤労者財産形成促進法上での勤労者で、契約申し込み時に55歳未満の人が対象。
- 利用は一人一契約である。
- 一定の要件を満たすと、住宅の増改築でも払い出しが可能。
住宅ローン金利
住宅取得に際して不足分は銀行より住宅ローンとして融資を受けます。
住宅ローン金利には固定金利型、変動金利型、固定金利選択型があります。
- 固定金利型 :ローン申し込み時(または実行時)の金利が返済終了まで変わらない。
- 変動金利型 :市場の金利の変動に応じて金利が変動する。(金利は半年ごとに見直し)
- 固定金利選択型:返済期間初期は固定金利で支払、一定期間終了後に固定金利型か変動金利型かを選択。
※固定金利期間が長いほど、金利は高くなる
住宅ローンの返済方法
元利均等返済と元金均等返済の2通りがあります。
- 元利均等返済:返済額が一定の返済方法。返済期間の初期は利息部分が多く、後半は元金の部分の返済が増える。元金と利息の和が均等な返済方法。
- 元金均等返済:元金部分は一定額返済し、そこにその都度の利息を上乗せして返済する。返済額は前半は大きいが、後半は利息が減るため小さくなる。元金が均等に減る返済方法。
※トータルの利息は元利均等返済の方が大きくなる。
住宅ローンの種類
住宅ローンの主なものには、財形住宅融資とフラット35がある。
財形住宅融資
財形貯蓄を行っている人が利用できる公的な住宅ローン。
- 金利 :5年 固定金利
- 融資金額:財形貯蓄残高の10倍以内(最高4000万)、住宅購入価格の90%以内。
- 融資条件:一年以上継続積み立てをしており、財形貯蓄残高が50万円以上あることなど。
フラット35
民間の金融機関と住宅金融支援機構が提携し、提供している長期固定金利型の住宅ローン。
- 金利 :固定金利で融資実行日の金利が適用。利率は取扱金融機関により異なる。
- 融資金額:最高8000万円で住宅購入価格の100%可能。ただし、90%を超えると高金利。
- 返済期間:最長35年かつ完済時の年齢が80歳以下。
- 融資条件:本人の居住住宅であり、申込日に70歳未満であること。
- 繰上返済:窓口では100万円以上、インターネットでは10万円以上。手数料は無料。
※保証人や保証料は不要であり、条件を満たせば親子リレー完済可能。
住宅ローンの繰上げ返済
通常の返済以外に元金の一部や全部を返済すること。
繰上げ返済を行うことで元金が減るため、利息も減り、トータル返済額が減る。
繰上げ返済には2つのパターンがある。
- 返済期間短縮型:毎回の返済額は変わらず、返済期間を短縮する。
- 返済額軽減型 :返済期間を変えずに、返済額を減らす。
※期間を短くする返済期間短縮型の方が、トータルの利息の軽減効果が高い。
住宅ローンの借換え
金利の高いローンを一括で返済し、金利の低いローンに変えることをいう。
ただし、借換えでは新規ローンの手数料などの諸経費がかかるため、単純に金利が低くなってもトータルでは高くつくことがある。
また、財形住宅融資などの公的ローンへは借換えができない。
団体信用生命保険
住宅ローン返済中に債務者が死亡した場合、保険会社がその時点の住宅ローン残高を保険金で金融機関に支払うという契約保険。これにより遺族は残りの住宅ローンを支払う必要がなくなる。
老後資金プランニング
退職後や老後の生活設計のことをリタイアメントプランニングという。
老後生活の主な資金は、退職金、年金、貯蓄であり、これらの老後生活資金と老後生活費を見積り、不足するようだれば準備をする方法を考えること。
老後生活費の計算
老後に必要な生活費は、退職前の生活費を基準として月額で計算します。
夫婦ともに健在の場合・・・退職前の生活費×0.7
夫または妻のみの場合・・・退職前の生活費×0.5
これを年額に直し、退職時から平均余命までの年数をかけた金額が老後生活費となる。
今回はここまで
今回は3大ライフプランニングの資金計画についてまとめました。
次回は社会保険についてまとめます。
コメント