今回は注文住宅で間取りの終盤で出てくる「電気配線」について取り上げたいと思います。
電気関係でいえば「コンセント」や「スイッチ」、そして「照明」がありますが、今回はコンセントについての解説になります。
電気配線もタダではないので、多く作ればいいというものではありませんが、必要な場所に足りないという事故は避けなければなりません。たこ足配線ってかっこ悪いですしね。
ではどういうところに気をつけて過不足なく、そして使いやすい場所に設置すればよいでしょう?

- どれくらいの数が必要なのかわからん
- コンセントの位置はどこがいいの?
- コンセントの床からの高さは合わせたほうがいいの?
といった疑問に答えられるような記事にしていますので参考にしていただければ幸いです。
コンセントの種類は豊富
まず始めにコンセントの種類についてです。
一口に「コンセント」と言っても種類がたくさんあります。
写真で申し訳ないですが一条工務店さんがくれる資料の一部を貼ってみました。他にもまだあります。ちなみに一条工務店さんでは3口が標準なので2口にしたいときには変更希望を伝えなければなりません。
右の写真でもわかるように、コンセントに付随してTVの配線やLANケーブル、アース付きのものやエアコン専用のコンセントなど様々です。
屋外のコンセントも忘れずに検討をしましょう。また、自分がそうでしたが、電気自動車を持っていなくても購入の可能性があればあらかじめ専用コンセントをつけておきましょう。後付けでは10万程度かかるようです。


コンセント配置で失敗しないために5つのポイント
新しい家での生活をイメージすることが失敗をしないためのポイントですが、そうはいってもイメージを仕切れないことも多々あります。
それは仕方のないこと。だってまだ住んでないんですから!
実際に住んだら「あ~ここにも欲しかった」「ここってあっても意味なかった」「この高さだと不便」なんてことは誰しもが経験する失敗です。
なので、ここでは完璧を目指すというよりも失敗を減らすために必要なポイントをご紹介します。
キッチン周りのコンセントはそれで平気?
キッチンでは様々な調理用の家電があります。
それらの調理家電を使うコンセントは何個必要でしょうか。
ここで前提の知識として、1つのコンセントで何Wの電力が利用できるでしょう?
正解は1500Wとのこと。これは一般的なコンセントに流せるアンペア数が15Aで、一般家庭用の電圧が100Vから計算されたもの。
ちなみに、一般のブレーカーでは20Aなので家全体で2000Wまでが使えるようです。
契約アンペアを変えればその分多くの電力を使えますが、いずれにしても一つのコンセントでの使用電力は変わりません。
で、電子レンジの消費電力は600~1000W、電気ポットが700~1000W、コーヒーメーカーが500~700W、さらに炊飯器やオーブントースターを同時に使ったら・・・。
キッチン周囲の調理スペースのコンセントの数は3口あるから平気と思っていても利用できない可能性もあるので、3口を2つなど分けて設置をするほうがよさそうです。
右のは我が家のものですが同じ場所に横並びに3口コンセントを2つ並べました。片方は電子レンジ用のアース付きのものになります。

ちなみに、図面にはないですが、カップボードの右側のスペースにもコンセントを1つ(生ごみ処理機用)と、カウンターがキッズカウンターなので2口コンセントあ1つあります。
ベッドや机を置いたら隠れない?
寝室や子供部屋でありがちなのが「家具を置いたらコンセントが隠れた」という問題。
間取りを決めているタイミングでベッドや机をどこに置くかをイメージしておく必要があります。
例えば、以前別の記事でも書きましたが、部屋の中のどこに机を配置するかでメリット・デメリットがあります。
配置を加味したうえでコンセントの位置を決める必要があります。
右は我が家の子供部屋の間取り図になります。
コンセントを3か所提案されましたが、1つ削って1つを動かしました。
消したのはテレビ用のコンセント。部屋でテレビを見ることは今の子供ではないだろし、そもそも見せないつもりなので不要。

移動させたのは、ベッドを置くことを考えてです。上がちょうど北にあたるのですが、左上の壁付でベッドを縦に置く予定。南を頭側とすると足元にコンセントがあるよりは頭側に欲しかったので。そして机は南の壁に漬ける予定(ちょうどコンセントと×で消したコンセントの間)で、机とベッドの間に小さい棚が置ければベストと考えています。
逆に机の位置に合わせてコンセントを持ってくることが効果的な場合もあります。
右は自分の書斎になりますが、図面右が棚で下が机になります。
当初入口にコンセントがおかれていましたが、矢印の先に変更してもらいました。高さは一般的な高さです。
一見するとコンセントはどこにも見えなくなりますが、机の下に存在し、コードを出せるようにして延長コードをおいてあります。

あえて机の上に高さを変えて出さなかったのは部屋がダークブラウンの落ち着いた感じなのにコンセントが白なので雰囲気に合わないという理由です。あえて机で隠して見えないようにするというのがポイント。
他にもドアを開けたら使えないコンセントを作ってしまうこともありますが・・・・、さすがにこれはないと信じます。
本当にその高さは便利?
標準の高さからコンセント位置を変えることができます。そのため、もう予定として高い場所で使うコンセントであればあらかじめその高さに合わせてしまうというのも一つの手です。
右は妻の書斎ですが、コンセントの位置を総とっかえしました。
そのうちの1つは高さを「H=900」つまり90㎝の位置に変えています。

左下側の壁に机をおき、左上側にサイドテーブルのようなものをおいてプリンターを置く予定としたため、その高さが80㎝程度だったため90㎝の位置にコンセントを置いています。そうすることで、コードを通すスペースを用意することなく、他の電気を使う機械もスムーズにコンセントに抜き差しができるという考えになります。
LANの配線は足りてる?
家の中でネット回線を引く場合は情報ボックスに線が引かれ家の中でネットができますが、場所によっては電波が届かない場所が出てきてしまいます。
そこで必要なのが無線ルーターまたは有線ケーブル。
ただ、これらをつなぐためのLANケーブルのポートがないといけません。
階をまたぐとやはり電波の届きは悪くなります。また、壁が多いと弱くなってしまうので、情報ボックスと書斎が遠いなどの場合は情報コンセントにしてLANケーブルの接続場所を作った方がよさそうです。
建築士のイメージと自分のイメージは同じではない
当たり前ですが建築士と実際に住む自分たちとでは違う人なので生活スタイルが異なります。
どこで何をするかというのはひとそれぞれ。そのため、自分がどのように過ごすのかをイメトレする必要があります。
例えば室内干し用も兼ねた廊下をあげると、建築士の方はコンセントを廊下の両端に1つずつ設置してくれましたが、不要です。
そんなに長いわけではないので一個コンセントがあれば掃除機のコードは十分足ります。

さらに言えば、廊下の南側を主で干す場所にするため、その下にコンセントがあっても使いにくくて相がありません。
それよりは階段を上がったホールの部分に小さい机や棚を設置してアイロンをしたりできるようになればいいかと思いコンセントの位置を廊下の北側に移動させました。
また、ソファでくつろいだ時にスマホの充電もできたらいいなぁと考えたので、コンセントの位置をソファの横と後ろに来るようにしてみました。右の図の右側の壁にコンセント2つが近くに設置されていましたが、その下側を削って赤丸の位置に変更しています。
といったように、作る人と使う人とではやはりイメージに違いが出てきてしまいます。どっちが正しいとかではなく好みの問題になってしまうので、それは仕方がないこと。

なので、イメージをすり合わせるために電気配線の打ち合わせも1回で終わらせることなく、2回くらいした方がいいと思っています。うちは間取りを多少いじるのも併せて2回電気配線の打ち合わせをしました。
さいごに
今回は電気配線のコンセントについて記載してみました。
一生に一回になるであろう大きな買い物だからこそ、時間がかかっても妥協することなく詰めていった方がいいと思っています。
皆さんもまだ電気配線の打ち合わせをしていなければ上のポイントを気を付けてみてください。
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