『きみに読む物語』のすすめ

本・映画

今回は2014年に公開された映画である『きみに読む物語』について書かせていただきます。

今回この映画を見るきっかけになったのは主演のライアン・ゴズリングさんが前々回の『ラ・ラ・ランド』で主演をしていたため気になったところでした。

個人的感想ではネタバレを含んでいるのでまだ見ていない方は見ないでください。ぜひネタバレ前に鑑賞を!

ストーリー

療養施設に入所しているデュークが同じ施設に入所しているアルツハイマーの女性に対して読み聞かせる物語が今回の映画の内容となります。

その物語は1940年のアメリカ南部・シーブルックが舞台。主人公の青年ノアは材木関係の仕事でした。

ある夏の夜、祭りに参加していたノアは、別荘に遊びに来ていた17歳のアリーに一目ぼれをします。はじめは相手にされなかったノアですが、強引にデートの約束を取り付けます。

ある晩映画の帰り道、色々な話を聞いているとノアはアリーが自由な子ではないと思わされます。本当にやりたいことは何かを聞いても初めは答えが得られませんでしたが、ノアの突飛な行動に心が動かされたのか、絵をかくことが好きだということがわかります。

その後二人は交際を始めます。アリーがノアの家に遊びに行くとノアの父親が暖かく迎えてくれます。その後ウィンザー農園という1772年に建てられた建物に案内をされ、いつかここを買い取って改築しそこに住む夢を語ります。アリーもその家に対する要望として白い家で青い雨戸にしてほしい願います。

しかしひと夏の恋に終わりが近づいていきます。とあることから分かれることとなった二人。ノアはそれでも愛し続けていましたが、やがて戦争となりノアは志願兵に、そしてアリーには新しい恋人ができ・・・。

タイトルに込められた意味は?

今回の映画『きみに読む物語』ですが、これはずばり老人デュークがアルツハイマー病の老女に読む物語をさしています。

実はその物語を毎日老女のために読んでいるようです。それが何のためなのかはぜひ映画をみて確認をしてみてください。

主演の二人のプロフィール

ノア役 ライアン・ゴズリング

以前にも書きましたが、様々な映画に出演され、ゴールデン・グローブ賞主演男優賞に5回ノミネートされ、うち1回受賞をされている方。アカデミー主演男優賞にも2回ノミネートされています。

ラ・ラ・ランドでは実際にすべてピアノを弾いていたというエピソードがありましたが、今回のこの映画でも実際に家具職人のもとへ弟子入りし、ディナーシーンで使用したテーブルは実際に本人が作ったものだそうです。

映画撮るたびに手に職つけていますね・・・。

アリー役 レイチェル・マクアダムス

過去に一度アカデミー助演女優賞にノミネートされている方。残念ながら今回の映画ではありませんでした。過去には『ドクターストレンジ』というマーベル作品でヒロインを演じています。

二人の関係

さて、実はこの二人ですが一時交際していたようです。

しかも、生まれた町が実は同じのようです。さらに、生まれた病院も同じという偶然。同じ映画の主演同士でこんなことってあるんですね。

物語の秘密と原作者

『きみに読む物語』ですが、原作「The Notebook」の著者であるニコラス・チャールズ・スパークスさんの妻の祖父母の実体験とのことです。

そんなニコラスさんの著作は今回の『きみに読む物語』の他にも10作品が映画化をされています。

キリスト教や愛、悲劇、運命をテーマとした小説を得意としており、映画化された作品は高い評価を得ています。

個人的に気になるのは2つ。

一つは『ウォーク・トゥ・リメンバー』という映画。この主要登場人物のモデルになっているのは2000年に亡くなった彼の妹ということ。もう一つは作品名が似ている「きみがくれた物語」になります。

いづれ見てよければ記事にしたいと思います。

個人的感想

ここからは盛大にネタバレがあるためまだ見てない人は読まないでください。

序盤

まず物悲しい雰囲気の音楽から始まったため、「もしかしたら自分この映画合わないかも」と少し思いました。でも蓋を開ければとてもいい映画で満足です。

序盤で思ったのは「昔の観覧車ってあんなんだったん?」ということですね。あれ怖くないですか?普通に落ちてしまいそう。

さて、いきなり映画の本筋から外れましたが、内容に戻るとノアの序盤の猛アタックがすごかったですね。

また、観覧車に戻ってしまいますが、あんな命がけのデートの申し込み、というかほぼ脅迫に近かったですが、情熱はすごかった!

そんな二人の間がぐっと近づくのが友達が仕組んだWデートの後の出来事。本心を語らなかったアリーに対して「自由ではない」と言い放ちました。そして交差点で横になりさらに「そこが君の悪いところだ、自分を抑えている」といいます。

この言葉がアリーを変えることになります。常識的なことにとらわれない、自分を偽らないようになっていくのでしょう。轢かれそうになったあとのアリーの爆笑場面は少しひきましたが(笑)

アリーの両親

お金持ちの両親。お父さんは意外と二人の恋愛に理解があり、お母さんは猛反対なんだなと思っていました。

ただ、お父さんが黙認していたのはひと夏の恋で終わると思っていたからということがすぐにわかります。ただ、根底には自分の実体験をもとに「最終的には裕福な彼氏を作って結婚する」と思っていたのかもしれません。

アリーの母親が実は昔に貧しい労働者との恋におちてそれがうまくいかなかったという実体験が語られましたよね。そして、今のお父さんと結婚したという話がでました。

裏を返せば最終的にはお金のある人と結婚することになると父親は思っていたのかもしれません。

そして最終的には母親は娘のことを応援する側になっていたのでしょうか。そうでないとあの365通の手紙を渡す理由がわからなくなります。(というかなんで捨ててなかったんだろう)

ノアの父親

序盤ではいいお父さんという印象でした。

戦争から帰ったノアを迎えるシーンではその印象はかわります。最高のお父さんだ!と。

自分の家を売って、子供の夢をかなえてあげるなんて普通のいいお父さんではなし得ないでしょう。そして、この出来事がなければノアとアリーの再開はあり得なかったことを考えればかなりの重要キャラ!

残念ながら途中で亡くなってしまいますが、ずっと生きてたらそれはそれでノアとアリーの関係が進まなかった可能性もあったかも。

What do you want?

個人的にこの映画の中の名セリフだと思っています。

場面は再開をして二人で時間を過ごした後、母親がきて手紙を渡した、そのあとの喧嘩のシーン。

「人のことは考えるな、俺もヤツも両親も忘れろ」といった後の言葉。

「君は、どうしたい?」というなげかけ。

自分の思いではなく周りの思いを汲んで考えているアリーに対してノアが放った言葉です。

序盤でもアリーは自分のしたいことは隠していました。個人的にそこに重なるシーンでした。今回のが重いけど。

そのやりとりの本当に少し前の

「うまくやるのは難しい、努力が必要だ、でも俺は努力をしたい、ずっと君が欲しいから、一緒にいたいから」

というのも素敵な言葉ですね。ストレートに「好き」という感情がぶつけられていました。

老人の子供たち

最終的にノアであろうことがわかりましたが、なぜデュークという名前だったのかよくわかりませんでした。

そんな老人デュークのもとに子供や孫たちが訪れます。正直ここで登場すると・・。

なんとなくデューク=ノア、老女=アリーという構図はわかっていましたが、結婚をして夫婦なのか、それとも結ばれなかった二人が再度再開して昔話をしているのかはわからない状態でした。

しかし、子供たちが登場し二人の関係を明かしてくれたことで、アリーがノアをとるのか、それともロンをとるのかがわかってしまったのは少し残念でした。

最後のアルバム

夫婦だと分かった二人ですが、記憶を無事取り戻したかと思うとまた忘れられてしまったノア。鎮静剤を打たれるアリーを悲しく見つめた次のシーンででてきたアルバムですが、あれはもしかして原作のモデルとなった二人の写真なのでしょうか。あれも謎なシーンでした。

夜勤の看護師

ノアが心肺停止で搬送され戻ってきた後の施設での出来事。

アリーに会いに行くノアを引き留めた看護師も素敵でした。

アリーに会いに行くことをわかっていながら、規則ではだめであることを伝えたうえで

「コーヒーをいれてくるわ。しばらく席を外すけど、バカはやらないで」と言い出ていきます。

コーヒーカップを置いてね!

しばらく会えなかった二人を会わせてあげようという粋な計らい!

おわりに

今回は『きみに読む物語』の紹介をさせていただきました。

ぜひ皆さんも一度ご覧になってください。

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