今回から「栄養学」についてのお勉強の記事を掲載したいと思います。
今回はそもそも「栄養とは何のか?」について記事をまとめていきたいと思います。
食べる事とは
「食べる」という行為は本来動物が栄養を得るために行われる行為です。
動物は他の生物を食べることによって、有機物(タンパク質、炭水化物、脂質)を取り込まなければ生きることができません。
進化の過程で自己合成するよりも他者から摂った方が効率が良いため自分で作る能力を失ったのです。そこで、動物は生命を維持するために必要な有機物を得るために毎日食事をしているのです。
栄養素とは
生物が声明を維持し、健康増進のために利用する物を栄養素という。
栄養素はまず、「タンパク質」「糖質(炭水化物)」「脂質」がみつかり、これを「三大栄養素」とよびました。
さらに「無機質(ミネラル)」「ビタミン」が加わり「五大栄養素」と呼ばれるようになりました。
栄養素は他にも、「食物繊維」や「水」なども含まれます。
食べ物に含まれる栄養素は水分が最も多く、それを除くと糖質・タンパク質・脂質といった三大栄養素がほとんどを占めます。無機質やビタミンは少なく、栄養素の中でも微量であり「微量栄養素」とも呼ばれます。
人間の体内では充分に合成できずに、欠乏で問題が生じるものを必須栄養素と呼んでいます。
栄養不良になると
栄養素の摂取が不足した状態を栄養不良・低栄養といいます。
栄養不良となると小児では成長に影響を及ぼし、胎児や新生児では知能障害や中枢神経系の障害が起こります。成人の場合は発達を除外してかんがえることができますが、極度の栄養低下では亡くなることがあります。
米軍の飢餓実験である「ミネソタスタディー」では24週間にわたって、必要エネルギー量の20~60%の食事にして身体組成を観察しています。その実験では体重は平均23%減少し、最も減少したのは体脂肪で65%が減少。脂肪以外の体重である徐脂肪体重は17%の減少でした。
その後普通の食事に戻し、16週で元の体重にはもどりましたが、徐脂肪体重は20週後でももとには戻っていなかったそうです。つまり、体脂肪の割合が多くなってしまい、「ウエイトサイクリング現象」「ヨーヨー現象」と呼ばれています。
食べ物が与えられないと体は蓄積しているエネルギーを使用して、まず糖質が使われ、続いて脂肪が使われます。
しかし、長期間飢餓が続くとタンパク質も減少し、たんぱく質の5%の減少で免疫機能低下や筋力低下、傷の治りが悪くなります。
タンパク質が30%減少すると生命に危険が及んできます。
栄養とケガや病気の関係
栄養状態が悪くなると傷が治りにくくなります。
その結果寝たきりなどで長時間同じ体制でいることで体とベッドとの接触部分で末梢血管が閉塞して壊死を起こす「褥瘡」ができるようになります。栄養不良で起こすため、一度できると治るのにも時間がかかります。
また、栄養不良は感染症にかかりやすくなります。
WHO(世界保健機関)は1968年に栄養と感染に関して次のことを報告しています。
栄養不良は、感染症がより重症になり、重大な結末をもたらす。また、感染症は軽い栄養不良の人を重症の栄養不良に陥らせる。栄養不良と感染はお互いをさらに悪化させ、個々の影響の総和から推測されるよりも、さらに深刻な結果を患者にもたらす
栄養素と感染症の因果関係について、最初に明らかになったのはビタミンAです。
ロンドンで麻疹が大流行した際に、ビタミンAを与えると死亡率の低下がみられました。次第に他の感染症でも有効であることがわかりましたが、これはビタミンAが粘膜の免疫能の維持をするのに重要な働きをするからです。
過栄養
栄養過多になると、肥満になっていきます。
これは余ったエネルギーが脂肪に変換されることが原因となります。
肥満が続くと次のような疾患が出てくるようになります。
内分泌 | 糖尿病、脂質異常症、通風 |
循環器系 | 高血圧、虚血性心臓病 |
呼吸器系 | 肺胞換気障害 |
消化器系 | 膵炎、脂肪肝 |
運動器系 | 変形性関節症、腰痛 |
皮膚科系 | 間擦疹、多汗症 |
外科系 | 手術時合併症 |
産婦人科系 | 月経異常、不妊症 |
アメリカでは40歳の時の肥満と寿命についての研究が行われ、BMI25~30であれば3年生命予後が短くなり、BMI30以上であれば6~7年生命予後が短くなるという結果が出たそうです。
さいごに
今回は栄養の過不足についての障害を中心に記事をかかせていただきました。
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