『天使のくれた時間』のすすめ

本・映画

今回は2000年に制作されたアメリカ映画の『天使のくれた時間』をお勧めします。

あらすじ

1987年、主人公のジャックはロンドンにある銀行での研修の為に空港へ。そこで恋人のケイトが引き留めに来ます。いったんは見送りますが二人が一緒にいる幸せを提案します。しかし、ジャックはケイトへの気持ちは変わらないといいロンドンへ旅立っていきます。そして13年後ジャックはニューヨークのウォール街で大手投資会社の社長になっていました。そこにケイトの姿はなく優雅な独身生活を謳歌していました。

クリスマスイブの夜にも幹部を招集し2日後に控えた重要な企業合併についての会議を行っていた。会議が終わると、会議中にケイトから連絡が入ったと秘書から報告がはいったがそれを無視し帰宅をした。帰り道に立ち寄ったコンビニで黒人の青年キャッシュが店員から理不尽な対応に激怒し銃を突き付けている場面に出くわしてしまう。ジャックはキャッシュに対して「ビジネス」を行い事なきを得、一緒に店を後にする。ジャックはキャッシュの将来を心配し話をするが、会話中で「僕は全部持っている」と言ってしまう。キャッシュは「これから何が起きてもあんたの責任だ。自分が招いたことだぞ」と言ってその場を去ってしまう。その夜帰宅し眠りについたジャック。朝になり起きるとそこには昔の恋人であるケイトと二人の子供がいた。何がなんだかわからないジャックは急いで自分の家と会社に向かうが・・・。

タイトルの意味

『天使のくれた時間』は邦題になります。原題は『The Family Man』。

邦題に関しては、キャッシュが天使(?)としてたらればの世界にジャックを放り込みそこで本当の幸せを見つけます。別の世界線に行ったからこそわかった幸せ。それを見つける時間をくれたという意味でしょう。

原題に関しては、それまで独身で過ごしていた男が家族といる生活の幸せを感じとり、家族で暮らすことを望むところからついているのかもしれません。

キャスト

ジャック役:ニコラス・ケイジ

カリフォルニア州生まれで親族にはたくさんの女優や映画監督、作曲家などがいます。

ビバリーヒルズ高校を中退し、日本語学校に通っていた経験もあるようです。

そんなニコラス・ケイジの代表作としては『ナショナル・トレジャー』『コン・エアー』『ザ・ロック』などがあります。

ゴールデングローブ賞主演男優賞ノミネートが2回、アカデミー賞主演男優賞受賞が1回ノミネートが1回あります。

ニコラス・ケイジは5度の結婚歴がありますが、最後の結婚相手は日本人のようです。

ケイト役:ティア・レオ―ニ

ニューヨーク生まれで大学へ進学するも卒業はせずに女優として活動を始めました。

彼女の代表作には『ディープ・インパクト』や『ジュラシック・パークⅢ』などがあります。

キャッシュ役:ドン・チードル

ミズーリ州の出身でカリフォルニア芸術大学を卒業。

代表作には『ホテル・ルワンダ』や『オーシャンズ11』、そして『アイアンマン2』以降のアベンジャーズシリーズに出演をしています。

また、アカデミー主演男優賞に1度ノミネートされ、ゴールデングローブ賞助演男優賞を1度受賞しています。

個人的感想と見どころ

ここからは盛大にネタバレがあるためまだ見てない人は読まないでください。

天使じゃなくて悪魔じゃん!

キャッシュによって別の世界線に飛ばされたジャック。

そこには元恋人と子供がいるわけですが、それは最初びっくりするでしょう。

元の家に行けば警察を呼ばれそうになるし、元の会社にいけば社長の欄に自分の名前がない。

そして超エリート会社員から街のタイヤ屋さんになっているという状態。

何かしらの説明があればいいですが、元彼女に出会えたことはまだしもいきなりの変化にはついていけません。

「天使がくれた」というよりも「悪魔のしわざ」という感じ。

再度キャッシュに会えたもののちゃんとした説明もなく謎のベルだけ渡され車から降ろされ置き去りにされてしまう。まさに悪魔のような所業。

「人生の中で一番大切なものを壊すな、お前は今自分を見失っているだけ」

過去にケイトと結婚をした世界線のジャックが親友に言った言葉のようです。

これは親友が不倫をしそうになった時に別世界線ジャックが親友を諭すために言った言葉です。

正直元の世界線のジャックからはこんな言葉が出るとは思えません。

仕事で成功することを取ったジャックと、ケイトと一緒にいることを選んだジャックでこんなにも性格が変わるのかと思いました。

「お帰りパパ」

別世界線のジャックの娘であるアニーは早々に父親が別人だと気づきます。アニーは元世界線のジャックを宇宙人だと思っていますが。

アニーはそんなジャックを色々と助けてくれます。赤ちゃんのオムツの交換や赤ちゃんの預かり施設、ジャックの職場などなど。

早々に別人として気づいたアニーはジャックと喋る時は常に「他人」として対応をします。そして良き相談役となっています。

そんなアニーは朝の雪遊び中にこう言います、「お帰りパパ」と。それはジャックが一番大切なものが何なのかを悟った後の出来事。ジャックがお金やいい会社、いい場所に住むことよりも「愛」がある生活が大切だと思った後の出来事でした。ジャックとアニーが遊んでいる時に、ジャックの「家族への愛」がアニーに伝わり、別世界線のジャックと同じものを感じたからでた言葉でしょう。

眠らないように頑張るその姿

ジャックは再びキャッシュに出会います。そしてジャックはキャッシュから「やっと答えが出たようだな」と言われます。その瞬間ジャックは「元の世界には戻らない」と強く言います。そう、答えを見つけたジャックは元の世界に戻ることになるからです。

しかし、キャッシュは「煌めきってのは一瞬のことだ、永遠には続かない」と言われてしまいます。

もうこの世界にはいられないと思ったジャックは二人の子供に別れを告げ、妻のケイトには自分のことを忘れないでほしいと伝えます。ケイトに布団に入るように言われたジャックは何も言わずペットの散歩にでかけ、戻ってきた後も布団に入ることはなく椅子にこしかけ必死に睡魔に対抗します。眠らなければ元の世界線に戻ることなくすごせるのではないかと思ったのかもしれません。それほどまでにジャックは家族への愛が増えていったのでしょう。

さいごに

今回はアメリカ映画の『天使のくれた時間』をお勧めしてみました。

心に残る映画でありぜひ皆さんにも見ていただきたいです。

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