今週からはビタミンについてまとめていきたいと思います。
今回はビタミン全体としてのお話にして、次回からは各ビタミンのお話をしていこうと思います。
- ビタミンってどうやって見つかったの?
- ビタミンってそもそも何?
- ビタミンってなんで食べ物からとらなきゃいけないの?
そんな内容でお送りできればと思います。
ビタミンを見つけたきっかけは2つの病気
ビタミンが発見されるようになったのは「脚気」と「壊血病」という2つの病気からスタートしています。
そもそも、ビタミンが見つかったのはほんの100年くらい前になります。
脚気による発見
まず、「脚気」とは心機能の低下や末梢神経の障害がおこる病気になります。
原因は長らく不明でしたが、船での長い乗船によって発症していたことから感染症によるものとされていました。
そのため、軍艦の乗務員には精米が支給され、良いものを食べることで感染症を防ごうとされていました。しかし、精米されることでビタミンは大幅にカットされるため逆効果になっていました。
1882年に、日本海軍軍医である高木兼寛は和食から洋食に変更することで脚気の発生を防止できることを発見しました。
しかし、この時はまだ「タンパク質を増やしたことで改善した」と思われていました。
1897年にはオランダ医師のエイクマンによって精米で鶏を飼育すると脚気のような症状がでることを発見。米ぬかを与えることで治癒することも見つけており、1911年にアメリカの生化学者フンクによって米ぬかからある物質を分離することに成功しています。
その物質はアミンの性質を持っており、「生命に必要なアミン」つまり「vital amine」という意味でビタミン(Vitamine)と名付けました。
壊血病による発見
「壊血病」とは組織がもろくなり出血する病気のことを言います。
1734年にイギリス人のクラマーは壊血病にかかるのが軍隊のなかでも下級の兵卒であることに気づきました。
士官らと下級兵士の違いは果物や野菜を食べるかどうかという点でした。
勿論食べていたのは士官たち。
クラマーは、壊血病は野菜や果物を摂らないことが原因だと考えました。
その後1920年になって、抗壊血病物質であるビタミンCを見つけています。
以前は「Vitamine」、今は「Vitamin」
ビタミンCが発見はされましたが、アミンの化合物ではなかったためVitamine表記にできませんでした。(アミンではないのでamineとはつづれない)
そこで、発音はそのままに、末尾のeをとり「Vitamin」と表記することを提案。ビタミンCはVitaminCと命名されました。
以降、脂溶性のビタミンであるビタミンAはVitaminA、水溶性のビタミンであるビタミンBはVitaminBと変えられ、Vitaminの綴りが定着していくようになったとのこと。
ビタミンの定義
ビタミンには次の4つの定義があります。
- 栄養素である
- 必要量が少ない
- 有機物である
- 体内で合成できない
ビタミンDにかんしては実は体内で合成ができるのですが、ごく少量で不十分なためビタミンに含められています。
ビタミンの種類
大きく分けて脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンがあります。
そして、発見された順番にA,B,C,D,E,Kと存在します。
ビタミンFやHは一度は存在しましたが、誤りであったり、B群の一部であったりとして消えていきました。
「B群」と書きましたが、ビタミンBには代表的なものにB1,B2,B3,B5,B6,B7,B9,B12として存在をしています。
脂溶性ビタミンはその名の通り油に溶けます。そのため、摂取が過剰になると肝臓に蓄えられていき過剰症をおこすことになります。
一方、水溶性ビタミンはその名の通り水に溶けます。そのため摂取が過剰になっても尿として排泄されるため過剰症になりにくいとされます。
ビタミンはなぜ食べ物から摂取しなければならないか
脚気や壊血病の項目で書いたように、野菜や果物からビタミンを摂取しなければ不足してしまいます。
これは、他の生物は体内で生成できるように進化した一方で、ヒトは食物から簡単に摂取できるためエネルギー節約のために体外から摂取するようになりました。そのため、合成のための代謝経路を失ったり、進化させなかったものと考えられています。
おわりに
今回はビタミンの総論的なところを書かせていただきました。
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