前回ビタミン全体のご紹介をしましたが、今回からしばらくはビタミンについて個別に紹介をしていきたいと思います。
まずは一番最初に発見されたビタミンの1つである「ビタミンA」をご紹介します。
- ビタミンAって何に役立っているの?
- 病気にはなにがあるの?
- どんな食べ物に含まれているの?
といった疑問にお答えできればとおもいます。
ビタミンAの3つの作用、ガンの抑制作用も!?
ビタミンAには大きく分けて3つの作用があります。
- タンパク質の発現を調節する
- 眼の機能
- 抗酸化作用
それでは具体的にどんな作用なのかを見ていきます。
タンパク質の発現を調節する
細胞には核というものがあります。ビタミンAは細胞質から核の中に入り、遺伝子の発現を調節するという働きがあります。
特に、皮膚や粘膜といった表面の組織(上皮組織)の状態を健康に保つことに関係しています。
そのため、ビタミンAが不足すると、新しく生まれ変わることができなくなり肌がカサカサになってしまいます。
皮膚の状態が悪くなると肌荒れや皺の原因となりますが、弱った皮膚や粘膜から細菌・ウィルスの侵入を許してしまい感染症となってしまいます。
また、成長や胎生期(胎児の時期)の臓器の分化にも深くかかわっています。
他にも未分化な細胞を成熟させるためガンの抑制作用があるとのことです
眼の機能
ビタミンAは眼の中の網膜にも作用をします。
網膜の中の光に反応する成分である「ロドプシン」の原料になります。これによって光に敏感になり夜間でも多少の光があれば周りの状況を把握することができるようになります。
抗酸化作用
ビタミンAの元になるβ-カロテンが抗酸化作用を持っており、動脈硬化や老化、ガンの発生を予防する作用があるとされています。
ビタミンAに関連する病気
ビタミンAが欠乏したときにはどのような病気があるでしょうか。また、ビタミンAは脂溶性のため細胞の中に過剰分も取り込まれてしまうため過剰症も引き起こしてしまいます。
欠乏症
ビタミンAの欠乏症には「夜盲症」「成長障害」「上皮機能の障害」などがあります。
成長障害や上皮機能の障害については前述しているので、「夜盲症」について解説していきます。
夜盲症は暗闇で見えにくくなってしまう病気です。光に反応するロドプシンが作られなくなるため、通常であれば月の光でうっすらと見えるような暗さであっても全く見えなくなってしまいます。
また、眼に関連して言うと欠乏で角膜に潰瘍ができ失明の原因にもなってしまいます。
過剰症
ビタミンAを摂りすぎると「脳圧亢進」「胎児奇形」を起こすとされています。
症状としては頭の中の圧が高くなるため、頭痛が起こります。また、脳が圧迫されるようになるため吐き気もでてくるのが特徴です。
胎児奇形に関しては妊婦のビタミンAの過剰摂取により口蓋裂などの発生が通常の3.5倍程度上がるようです。
基本的には長期間にわたって食事を大量にとったりなどがなければ過剰症をおこすことはないですが、サプリメントを大量に摂取すると起こりやすいようです。
どんな食べ物に含まれるのか
ビタミンAは動物性食品に多く含まれています。
ビタミンAは脂溶性であり肝臓に蓄積されることから特にレバーに多く含まれています。他にもタマゴやうなぎなどにもおおくは行っています。
緑黄色野菜からもビタミンAがとれますが、これはどちらかというとビタミンAの前駆物質である「カロテノイド」が多く含まれているからです。野菜が黄色や赤色を示すのはこのカロテノイドのためです。
さいごに
今回はビタミンAについてその役割や各種病気、含まれる食品などを紹介しました。
次回はビタミンB群のB1を紹介しようと思います。
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