ビタミンB群の解説、今回はその中の「B3」についてご紹介です。
あまりなじみがないかもしれないビタミンB3ですが、ニコチン酸とニコチンアミドの総称となります。
ちなみにニコチン酸はたばこのニコチンとは関係ないもので、混同しないように一般的に「ナイアシン」と呼ばれているものになります。
ビタミンB3の作用とは?
ビタミンB3はアミノ酸や炭水化物、脂肪の代謝において働く重要な補酵素の構成成分となります。
補酵素はNAD(ニコチンアミドアデニンジヌレオチド)とNADP(ニコチンアミドアデニンジヌレオチドリン酸)と呼ばれ、NADは細胞内呼吸(TCAサイクル、電子伝達系、β酸化)、NADPは脂肪酸やステロールの生合成経路で働きます。
グルコースによるATP(アデノシン3リン酸)産生の経路では、NADからNADHが作られ、ミトコンドリアの電子伝達系に電子を伝達し、そのエネルギーでATPを産生します。
他に、ビタミンB3は細胞の核内でDNAの転写の調節にも関わり、遺伝子発現の調節をしています。
1日の必要量
成人男性では1.4㎎
成人女性では1.2㎎
ビタミンB3に関連する病気
ビタミンB3は水溶性のため、不足によっておこる病気はありますが、過剰症は普通はありません。これは過剰分が尿として排出されてしまうからです。
欠乏症
ビタミンB3が欠乏すると、初期症状としては次のようなものが見られます。
- 食欲不振
- 筋力低下
- 皮膚の発疹
- 口内炎
- 下痢症状
- 神経炎
重症になると次の状態がみられます
- ペラグラ(イタリア語で「粗い皮膚」)
- 成長障害
ペラグラで起こる症状は3Dと呼ばれるものがあります。
- dermatitis(皮膚炎:日航の当たるところに発赤や水泡ができる)
- diarrhea(下痢:消化管出血を伴う)
- dementia(認知症)
過剰症
前述のように過剰分は尿として排出されるため基本的には過剰症はありません。
しかし1日に100 mg以上の摂取で皮膚が赤くなりヒリヒリしたり、痒みが出るようですが数時間で治まるとのこと。これを「ナイアシンフラッシュ」と呼び、独特の感覚を引き起こすため、これを求めて故意にナイアシンを過剰摂取する者も多いようですが皆さんはやめましょう。さらに摂りすぎると肝障害の出現があります。
どんな食べ物に含まれるのか
ビタミンB3は様々な食品中に多く含まれます。
特にビタミンB3が多く含まれている食べ物としてはイラストの通りですが、カツオやマグロ、レバーなどがあります。
また、他にもサバや卵、牛乳などにも多く含まれています。

さいごに
今回はビタミンB3についてその役割や各種病気、含まれる食品などを紹介しました。
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