ビタミンB群の解説、今回はその中の「B7」についてご紹介です。
ビタミンB7は別名を「ビオチン」といいます。また、当初はビタミンHとも呼ばれていました。Hがついたのはドイツ語でHaut(皮膚)に由来していますが、皮膚や粘膜、髪などの健康を維持するために大切なビタミンとされたからです。
- ビタミンB7って何に役立っているの?
- 病気にはなにがあるの?
- どんな食べ物に含まれているの?
といった疑問にお答えできればとおもいます。
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ビタミンB7の作用とは?
カルボキシル基をもつビオチンはカルボキシル基を受け渡す酵素の補酵素として働いています。
糖新生(アミノ酸や脂質、乳酸からグルコースを作る経路)や脂肪酸合成(糖などから脂肪を合成する経路)に関与しており、高血糖を改善する作用も報告がされています。
また、ヒスタミン(アトピー性皮膚炎の原因にもなる生理活性物質)の原料であるヒスチジンの尿からの排出を促進する作用があります。
1日の必要量
成人男性では6.0㎎
成人女性では5.0㎎
ビタミンB7に関連する病気
ビタミンB7は水溶性のため、不足によっておこる病気はありますが、過剰症は普通はありません。これは過剰分が尿として排出されてしまうからです。
また、ビタミンB7はビタミンB6やパントテン酸と同様に腸内細菌によって生成されるため、欠乏症もまれではあります。しかし、抗生剤を長期間飲んでいる人は腸内細菌のバランスも崩れてしまうので注意が必要です。
また、偏食や慢性的なアルコール摂取、喫煙、妊娠により消費量が増えた結果、相対的に不足に陥ってしまうことがあります。
欠乏症
ビタミンB7が欠乏すると、皮膚炎などの皮膚トラブル、髪の毛や爪、粘膜の異常が起こります。
皮膚炎は、ヒスタミンの原料の排出が滞り、ヒスタミンが合成されることで脂漏性皮膚炎をおこしてしまうからです。それにより湿疹や肌のくすみが起こってしまいます。
他にも爪がもろくなったり、エネルギーの産生不足により疲れやすくなり倦怠感の出現がでます。
髪の毛に関しては脱毛だけではなく、白髪が増えてしまったり、髪の毛のパサつきの原因にもなってしまいます。
粘膜の異常は口内炎や結膜炎などが報告されています。
過剰症
前述のように過剰分は尿として排出されるため基本的には過剰症はありませんが、薬剤としてビタミン補給が過剰に行われると、甲状腺ホルモンの検査に干渉してしまい、正常であっても異常値がでることがあるそうです。
どんな食べ物に含まれるのか
ビタミンB7が特に含まれるものとしては、イラストの通りですが、アーモンドや落花生、大豆、しいたけなどのキノコ類に多く見られます。
その他にも魚類にも多く含まれているので意識して摂取してみてください。

さいごに
今回はビタミンB7についてその役割や各種病気、含まれる食品などを紹介しました。
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