高血圧と塩分の関係|なぜ減塩すると血圧が下がる?知っておきたい食事のポイント

「高血圧なら減塩したほうがいい」と聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。

しかし、

「なぜ塩分を減らすと血圧が下がるの?」

「1日にどのくらいまでならいいの?」

「具体的にどうやって減らせばいい?」

と疑問に思う人もいるかもしれません。

日本高血圧学会は、高血圧の人に対して食塩摂取量を1日6g未満にすることを推奨しています。

今回は、高血圧と塩分の関係から、実際の食生活でできる減塩の工夫まで分かりやすく解説します。

なぜ塩分をとりすぎると血圧が上がるの?

塩分を多くとると、血圧が上がりやすくなります。

その大きな理由の一つが、体内の水分量との関係です。

食塩の主成分であるナトリウムを多くとると、体内ではナトリウムの濃度を一定に保つために水分を保持しようとします。

その結果、血液中の水分量が増えて血液量が多くなり、血管の壁にかかる圧力が高くなることで、血圧が上がりやすくなります。

もちろん、血圧は塩分だけで決まるわけではありません。

遺伝的な体質、年齢、体重、運動習慣、飲酒など、さまざまな要因が関係しています。

その中でも、食塩のとりすぎは生活習慣として見直すことができる重要な要素です。

高血圧の人は、どのくらいの塩分を目標にすればいい?

高血圧の人では、食塩摂取量を1日6g未満にすることが推奨されています。

ここで注意したいのが、「健康な人の目標」と「高血圧の人の目標」は同じではないということです。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、生活習慣病の発症予防を目的とした食塩相当量の目標量は、18歳以上で男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満とされています。

一方、高血圧の人では、さらに厳しく6g/日未満が目標となります。

「6g」と聞くと、それほど多くないように感じるかもしれません。

しかし、塩やしょうゆなどの調味料だけでなく、加工食品や外食、麺類などにも塩分は含まれています。

そのため、知らないうちに目標量を超えてしまうことがあります。

「食塩」と「ナトリウム」はどう違う?

食品の栄養成分表示を見ていると、「食塩相当量」と「ナトリウム」という言葉を目にすることがあります。

食塩は主にナトリウムと塩化物からできています。

日本人はナトリウムの多くを食塩として摂取しているため、普段の食事では「食塩相当量」を確認すると、どのくらい塩分をとっているのか把握しやすくなります。

食品を購入するときには、栄養成分表示の**「食塩相当量」**を確認する習慣をつけるとよいでしょう。

日本人はなぜ塩分をとりすぎやすい?

日本の食生活には、塩分を多く含みやすい食品や料理が少なくありません。

例えば、

  • しょうゆ
  • 味噌
  • 漬物
  • 麺類のスープ
  • 加工食品
  • インスタント食品
  • 惣菜
  • 外食

などです。

特に「和食だから塩分が少ない」とは限りません。

味噌汁、漬物、しょうゆなどを組み合わせることで、塩分摂取量が増えてしまうことがあります。

また、ラーメンやうどんなどの麺類では、麺そのものだけでなく、スープにも多くの塩分が含まれています。

厚生労働省も、麺類の汁やスープを残すことを減塩の具体的な方法の一つとして紹介しています。

減塩するなら、まず何を変えればいい?

「1日6g未満にしよう」と考えても、毎日の食事で何をすればいいのか分かりにくいかもしれません。

まずは、次のような小さな工夫から始めてみましょう。

しょうゆやソースは「かける」より「つける」

料理にしょうゆやソースを直接かけるのではなく、小皿に少量入れてつけて食べる方法があります。

使う量そのものを減らしやすくなるため、簡単にできる減塩方法の一つです。

麺類のスープを全部飲まない

ラーメンやうどんなどのスープには、塩分が多く含まれていることがあります。

スープを全部飲まずに残すだけでも、塩分摂取量を減らすことができます。

「麺類を食べてはいけない」と考える必要はありません。

まずはスープを残すところから始めてみましょう。

漬物や加工食品を食べる量・頻度を見直す

漬物、ハム、ソーセージ、インスタント食品などにも塩分が含まれています。

毎日食べているものがあれば、量を減らしたり、食べる頻度を少なくしたりするだけでも減塩につながります。

だし・香辛料・酸味を利用する

塩分を減らすと「味が薄くて物足りない」と感じることがあります。

そんなときには、だしのうま味、香辛料、香味野菜、酢やレモンなどを利用すると、塩分を減らしても料理を楽しみやすくなります。

単純に「塩を減らす」だけではなく、塩以外の方法で味を補うことがポイントです。

「薄味にする」だけが減塩ではない

減塩というと、すべての料理を薄味にすることをイメージするかもしれません。

しかし、毎日の食事をすべて我慢する必要はありません。

例えば、

「しょうゆをかける量を少し減らす」

「麺類のスープを残す」

「塩分の多い加工食品を毎日食べない」

「香辛料や酸味を使う」

といった工夫を組み合わせることで、無理なく減塩を続けることができます。

大切なのは、一度に完璧を目指すことではありません。

長く続けられる方法を見つけることが、減塩では重要です。

減塩すると血圧は下がる?

減塩は、高血圧の予防や治療において重要な生活習慣の一つです。

ただし、減塩したからといって、すべての人で血圧が同じように下がるわけではありません。

塩分に対する血圧の反応には個人差があり、年齢や体質、腎臓の状態などさまざまな要因が関係します。

そのため、

「減塩すれば薬はいらない」

「塩分を減らせば必ず血圧が正常になる」

というわけではありません。

必要な場合には、生活習慣の改善と薬による治療を組み合わせて血圧を管理していきます。

減塩だけでなく、食事全体を見直すことも大切

高血圧の食事では、塩分だけを気にすればよいわけではありません。

野菜や果物などに含まれるカリウムには、ナトリウムの排泄を促して血圧を低下させる働きがあります。

また、野菜や果物、魚、全粒穀物などを取り入れ、全体としてバランスのよい食事を心がけることも大切です。厚生労働省も、高血圧の予防・改善において、減塩に加えてカリウム摂取やDASH食などを紹介しています。

具体的にどのような食事を心がければよいのかは、次の記事で詳しく解説します。

減塩は「完璧」より「続けること」が大切

「1日6g未満にしなければ」と考えると、減塩が難しく感じるかもしれません。

しかし、最初から完璧を目指す必要はありません。

まずは、

  • しょうゆやソースを少し減らす
  • 麺類のスープを残す
  • 食品表示を見る
  • 加工食品を食べる頻度を減らす
  • だしや香辛料を活用する

など、できることから始めてみましょう。

一つひとつの工夫を積み重ねることで、毎日の食塩摂取量を減らしていくことができます。

まとめ

高血圧では、食塩のとりすぎが血圧上昇につながるため、減塩が大切です。

高血圧の人は、食塩を1日6g未満にすることが推奨されています。

しょうゆやソースの使い方を工夫したり、麺類のスープを残したりするだけでも、減塩につながります。

また、減塩だけでなく、野菜や果物などを取り入れ、食事全体のバランスを整えることも大切です。

最初から完璧を目指さず、無理なく続けられる方法で少しずつ減塩していきましょう。

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