高血圧の薬を飲み始めたのに、「血圧が思ったように下がらない」「薬を飲んでいるのに高いまま」と感じることがあります。
しかし、血圧が下がらない理由は、単純に「薬が効いていない」だけとは限りません。
薬の飲み方や血圧の測り方、生活習慣、ほかの薬の影響など、さまざまな原因が考えられます。
今回は、血圧の薬を飲んでいるのに血圧が下がらないときに、どのようなことを確認するのかを分かりやすく解説します。
血圧の薬を飲んでいるのに、下がらないことはある?
高血圧の薬は、飲めば必ず一定の血圧まで下がるというものではありません。
血圧は、体重や塩分摂取量、睡眠、ストレスなどの生活習慣だけでなく、年齢や腎臓の状態、心臓の病気など、さまざまな要因によって変化します。
また、1種類の薬だけでは十分に血圧を下げられず、薬の量を調整したり、別の種類の薬を追加したりすることもあります。
そのため、薬を飲み始めたあとも血圧を確認しながら、その人に合った治療へ調整していくことが大切です。
血圧が下がらない原因には何がある?
血圧が下がらないときには、薬そのものだけでなく、飲み方や測定方法、生活習慣など、さまざまな点を確認する必要があります。
薬を飲み忘れている
まず確認したいのが、薬を指示されたとおりに飲めているかどうかです。
忙しくて飲み忘れたり、症状がないからと自己判断で薬を休んだりすると、十分な降圧効果が得られないことがあります。
また、薬の種類が増えると、飲むタイミングが複雑になって忘れやすくなることもあります。
「毎日きちんと飲んでいるつもり」でも、実際には飲み忘れが起きていることもあるため、血圧が下がらないときには服薬状況を確認することが大切です。
血圧の測り方やタイミングに問題がある
血圧は、測る時間やそのときの状態によっても変化します。
測定前に運動したり、食事や入浴をした直後だったりすると、普段より血圧が高くなることがあります。
また、姿勢が正しくなかったり、1回だけ測った値をそのまま判断したりすると、本来の血圧を正確に把握できないことがあります。
家庭血圧を測る場合は、できるだけ決まった条件で測定し、継続して記録することが大切です。
詳しい測り方については、こちらの記事でも解説しています。
→「家庭血圧の正しい測り方|いつ測る?どこで測る?血圧計の選び方も解説」
生活習慣の影響
薬を飲んでいても、生活習慣によって血圧が高くなることがあります。
特に、塩分のとりすぎ、体重増加、お酒の飲みすぎ、運動不足などは血圧に影響します。
一方で、これまでの記事でも紹介したように、減塩や体重管理、適度な運動などによって血圧を改善できる可能性があります。
薬を飲んでいるから生活習慣は気にしなくていい、というわけではありません。
薬による治療と生活習慣の改善を組み合わせながら、血圧を管理していくことが大切です。
薬の種類や量が合っていない
薬をきちんと飲んでいて、測定方法にも問題がない場合には、現在の薬の種類や量が十分かどうかを検討することがあります。
高血圧では、1種類の薬だけでは十分に血圧が下がらないこともあります。
その場合には、薬の量を調整したり、別の種類の薬に変更したり、異なる作用を持つ薬を追加したりします。
前の記事で紹介したように、異なる作用を持つ薬を組み合わせることで、より効果的に血圧を下げられることもあります。
→「高血圧の薬を2種類以上使うのはなぜ?|薬を組み合わせる理由と併用療法の考え方」
ほかの薬やサプリメントが血圧に影響することも
血圧が下がらないときには、現在飲んでいる高血圧の薬だけでなく、ほかの薬やサプリメントなどにも目を向ける必要があります。
例えば、痛み止めとして使われるNSAIDsなど、一部の薬は血圧を上げたり、降圧薬の効果を弱めたりすることがあります。
市販薬の中にも血圧に影響するものがあるため、病院で処方された薬だけでなく、市販薬やサプリメントを使用している場合も医師や薬剤師に伝えるようにしましょう。
それでも血圧が下がらない場合は?
薬をきちんと飲み、正しく血圧を測定し、生活習慣やほかの薬についても確認したうえで、それでも血圧が十分に下がらないことがあります。
このような場合には、薬の種類や組み合わせをさらに調整するとともに、血圧が下がりにくくなっている別の原因がないかを調べることがあります。
例えば、腎臓の病気やホルモンの異常、睡眠時無呼吸症候群などが原因となって血圧が高くなる「二次性高血圧」が隠れている場合があります。
また、複数の降圧薬を適切に使用しているにもかかわらず血圧が十分に下がらない場合には、治療抵抗性高血圧と呼ばれる状態を考えることもあります。
「薬が効かないから、さらに薬を増やす」というだけではなく、なぜ血圧が下がらないのかを確認することが大切です。
血圧が高いとき、自分で薬を増やしていい?
血圧が高いからといって、自己判断で薬の量を増やしたり、飲む回数を増やしたりするのは避けましょう。
血圧が高い原因によって、必要な対応は異なります。
また、薬を増やしすぎることで血圧が下がりすぎたり、めまいやふらつきなどの副作用が起こったりする可能性もあります。
血圧が高い状態が続いている場合には、家庭血圧の記録を持って医療機関に相談し、薬の種類や量を調整してもらうことが大切です。
血圧が下がらないとき、医師に伝えたいこと
診察のときには、単に「血圧が高い」と伝えるだけでなく、普段の血圧の状況をできるだけ具体的に伝えると、治療を考えるうえで役立ちます。
例えば、
- 家庭血圧の記録
- 血圧を測る時間帯
- 薬を飲み忘れることがあるか
- 現在飲んでいる薬や市販薬
- サプリメントの使用状況
- 体重の変化
- 食事や飲酒などの生活習慣
- めまい、ふらつきなどの症状
などです。
特に家庭血圧を継続して記録しておくと、診察室での一時的な血圧だけでは分からない普段の血圧の状態を把握しやすくなります。
まとめ
高血圧の薬を飲んでいるのに血圧が下がらないときは、「薬が効いていない」とすぐに考えるのではなく、なぜ下がらないのかを確認することが大切です。
薬の飲み忘れや血圧の測り方、生活習慣、薬の種類や量、ほかの薬の影響など、さまざまな原因が考えられます。
それらを確認しても血圧が下がらない場合には、治療抵抗性高血圧や二次性高血圧など、血圧が下がりにくい別の原因を調べることもあります。
血圧が高いからといって、自己判断で薬を増やしたり中止したりするのではなく、家庭血圧を記録しながら医療機関で相談することが大切です。
高血圧の治療は、薬を飲んで終わりではありません。血圧の変化を確認しながら、その人に合った治療へ少しずつ調整していくことが大切なのです。


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